予備試験29年15問(民法)肢アを検討する 第2回 請負契約の特約が及ぶ範囲 その1

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年15問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第15問【司法試験29年第37問】(民法)肢「ア.建物建築工事請負契約において,注文者と請負人との間に,契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合に,当該契約が中途で解除されたときは,その請負人が下請負人に当該工事を請け負わせ,下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても,当該出来形部分の所有権は注文者に帰属する。」を検討していきましょう。

この肢は,正しいですか,間違ってますか。

東花子さん

正しいですね。

なんででしょう。

考えている

判例があります。(最判平5.10.19)

なるほど,良くご存知ですね。っていうか,それだと。

東花子さん

ええ,ただ知っているだけですね。

その通りです。分かっているじゃないですか,そこで意味を確認していきましょう。
どこがポイントでしょうか。

東花子さん

出来形部分の所有権が,注文者か下請負人のどちらに帰属するかがポイントになります。

いいですね。それぞれの主張の根拠はどこにありますか。
まず,注文者はどうでしょう。

東花子さん

今回は,「注文者と請負人との間に,契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合」ですので,この特約が根拠になると思います。

そうですね。元請契約にある特約が,注文者の主張の根拠になります。
一方で,下請負人の主張の根拠は,どうでしょう。

考えている

「下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造した」とあります。ここがポイントになると思います。

その通りです。関連性がある条文を載せておくので,確認しておきましょう。

(加工)
民法第246条
1.他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
2.前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。

この規定は動産の条文ですが,不動産でもこの規定を意識していて材料提供者を所有権者としてます。(最判昭54.1.25他)

東花子さん

まあ,細かいことを知らなくても,材料を提供している下請負人に出来形の所有権も帰属するのが自然だと思いました。

そうですね。ただ,今回は注文者に所有権が帰属するのが答えのようですが・・・。

東花子さん

あれ,確かに解答からするとそうですね。注文者と請負人間の特約に下請負人も拘束されるということですか,うーん。

悩む気持ちもわかります。元請契約と下請負契約は,別契約です。したがって,契約が別である以上,関係ないともいえますからね。

東花子さん

そう思いました。いまいち,わからないなぁ。

そうですね。問題意識も出たところで,少し考えてもらいますか。
では,今日も時間となりましたのでここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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