民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)肢エを検討してみよう その1

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問肢ウを検討しました。
本日は,肢エです。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあです。

スク東先生:なるほど,そうですか。とにかく,体調管理は気を付けたいですね。それでは,早速始めていきましょう。

民法司法令和3年13問肢エです。

「エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。」

正解はどうでしょう。

誤っています。

スク東先生:そうですね。なんでですか?

判例があるようです。(最判平24.3.16)

スク東先生:なるほどですね。ただ,それだと。

はい,例によって知らないと解答できません。

スク東先生:まあ,最悪,この肢がわかなくても「ウ」が正しいと判断できれば,「1.ア ウ」 で正解はできます。

ふーん,確かにそうですが,珍しいですね。正解肢との関係を言うなんて・・・。

スク東先生:はい,実際,この肢は,難易度が高いように思うので・・・。

なるほど。難しい肢の解答はなるべくさける。

スク東先生:そうですね。全部わからないと解答できないという考えは,まず捨てるのが大事です。利益状況や価値判断でわかるところから正解を出す。

わかりました。実際,解く上では,それで大丈夫ですが・・・。

スク東先生:はい,この機会にポイントだけでも考えたいですね。

そうなんです。どの辺から整理すればいいのでしょう。

スク東先生:そうですね。きちんと検討したいのですが,難しい議論になりそうなので,日を改めましょう。試験期間ですしね。短答試験は全てわからなくても大丈夫です。わかりやすい肢で,正解を出すように努めましょう。。それでは,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。

カテゴリー: 民法, 令和3年 | コメントをどうぞ

民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)肢ウを検討してみよう

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問を検討することになりました。
本日は,肢ウです。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

普通です。

スク東先生:なるほど,それは何よりです。前回までは,肢を切るための考え方の話をしました。ぜひ,練習してくださいね。
それでは早速,問題の検討を始めていきましょう。
少し空いてしまいましたが,

民法司法令和3年13問肢ウです。

「ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。」

正解はどうでしょう。

正しいです。

スク東先生:そうですね。なんでですか?

判例があるようです。(最判平23.1.21)

スク東先生:なるほどですね。ただ,それだと。

はい,結局,知らなければできないことになってしまいます。

スク東先生:そうですよね。どう考えていきましょう。

うーん。細かいことはわかりませんが,AとCどっちを,最終的に保護すべきかという問題になります。

スク東先生:はい,利益状況を考えるのが現実的でしょう。それで,実際どうなりますか。

はい,Cを保護することになります。Aが賃借権を対抗できないという結論が,正しいわけだから。

スク東先生:結論は,そうなんですが,問題を解く際は,答えがわからないはずです。したがって,それじゃ,答えになってませんね。どうして,そのような価値判断になったのでしょう。

うーん。

スク東先生:なるほど,変に考えるとそうなってしまいます。結局,Cは競売により甲土地を買い受けてます。一方で,Aの賃借権は,抵当権に対抗できませんよ。

そうか,そう考えるとCを保護しないと取引上問題ですね。

スク東先生:はい,競売は,担保権者にとって,被担保債権を回収するための大事な手続きです。買受人を保護してやらないと,担保の実効性も落ちることがわかれば,Cを保護する必要性もよりわかります。

はい,だから取得時効とか,一見もっともなことを言ってきたAより,Cを保護したんですね。

スク東先生:そうですね。そう考えると,正解にはたどり着くと思います。

利益状況を踏まえることが大事だということが,わかりました。

スク東先生:はい,わからないときは,あいまいな記憶をたどるのではなく,問題の当時者の立場になってみて,考えてみることが大事です。最初は難しいかもしれませんが,ぜひ試してみてください。それでは,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。

カテゴリー: 民法, 令和3年 | コメントをどうぞ

民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)を検討してみよう 番外編3

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問(予備試験令和3年第6問)を検討しました。その際,背理消去法を確認しました。
慣れないといけませんが,テクニックとして使えると便利ですね。
ぜひ,試してみてください。今日は,もう一つ肢が切れる理由を確認していきましょう。

それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうです。

今日は,調子いいですね。

スク東先生:そうですか,少し過ごしやすい気候になってきましたからね。よかったです。
では,早速,前回の続きやっていきましょう。

〔司法試験令和3年第13問・予備試験令和3年第6問〕
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
イ.甲土地の所有権が自己にあると過失なく信じて10年間その占有を継続した者は,甲土地上の抵当権の存在につき悪意であったときは,甲土地の所有権を時効取得することができない。
ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。
エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。
オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ

確か前回は,「3.イ ウ」「 5.エ オ」は,背理消去法で切れることを確認しました。

スク東先生:そうです。まあ,詳しい説明を見たいときは,こちらで確認ください。

よく復習します。

スク東先生:それでは,今日は,・・・・。

はい,「4.イ オ」がなぜ切れるかですね。

スク東先生:おお,さすが,調子がいいだけあって冴えてますね。それで,理由分かりますか。

ぎくっ!!

スク東先生:なるほど,そういうことね。うすうすそんな感じしてましたけどね。わかりました,しっかり,意味を確認していきましょう。結論からいうと,「4.イ オ」が,正解になるためには,「ア」「イ」「オ」の3つが正しく,「ウ」,「エ」誤りとなる必要があります。
(「ア」は正しいことは前提)

なるほど確かに,「1.ア ウ」を切るには,「ア」が正しいので,「ウ」が誤り。 「2.ア エ」は「エ」が誤り。また, 「3.イ ウ」は,「イ」が誤りだと「4.イ オ」を正解できないので,「ウ」が誤り。 「5.エ オ」も「オ」が誤りだと「4」正解にできないので,結果,「エ」が誤りとなりますね。

スク東先生:はい,しっかり考えないといけませんが,そういうことになります。

えっと,それで何がいいたいんでしょうか。

スク東先生:いやー。これは,過去問を見ていただけるとわかるんですが,正しい肢の組み合わせを選ぶ問題(今回のような場合),5肢のうち,正しい肢の数は2,誤っている数は3というのが,ほとんどなんですよ。

なるほど,選ぶ正解の組み合わせの数に合うように問題が作られていると。

スク東先生:はい,厳密にいうと違うケースも数問あるんですが,ほとんど,そうなります。

そうか,「4.イ オ」は,純粋に論理的には切れないが,出題傾向から正解にならない確率が極めて高いわけですね。

スク東先生:そうです。ただ,出題傾向なんてものは,方針がさっと変えてしまえば,それまでです。したがって,「4.イ オ」は,正解の可能性あることは意識しておきましょう。

なるほど,「ア」が正しいという段階で,「1.ア ウ」「 2.ア エ」さっと絞っていましたが,背理消去法で論理的に切れる肢「3.イ ウ」「 5.エ オ」と,出題傾向から確率的に切れる「4.イ オ」肢に意味がわかれていたんですね。

スク東先生:はい,正解肢になる確率があるのか,ないかの違いは,重要ですからね。この機会にぜひ,確認しておいてください。それでは,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。

カテゴリー: 民法, 令和3年 | コメントをどうぞ

民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)を検討してみよう 番外編2

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問(予備試験令和3年第6問)を検討しました。問題を解くためには,肢を見て効率よく切っていくことが大事のようです。
本番に近いので,この機会にテクニックを確認することになりました。
東さんは,できるでしょうか。一緒に,考えていきましょう。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあかな。

スク東先生:そうですか,毎度のことですが,体調管理には気をつけましょう。
では,早速,前回の続きやっていきましょう。

〔司法試験令和3年第13問・予備試験令和3年第6問〕
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
イ.甲土地の所有権が自己にあると過失なく信じて10年間その占有を継続した者は,甲土地上の抵当権の存在につき悪意であったときは,甲土地の所有権を時効取得することができない。
ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。
エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。
オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ

確か前回は,「3.イ ウ」「 4.イ オ」「 5.エ オ」がなぜ肢が切れるかという話でした。

スク東先生:そうです。あと,前提として「ア」が正しいことは確実です。なぜか,整理してみましたか。

はい,背理消去法ですね。

スク東先生:おお,いいですね。じゃあ,折角なので,説明してもらいましょう。

あ・・・?

スク東先生:ふーん,なるほど。言葉だけが先行するタイプですね。わかりました。改めて説明するので,この機会にしっかり押さえていきましょう。

よろしくお願いいたします。

スク東先生:はい,早速ですが,結論からいってみましょう。背理消去法で,切れるのは「3.イ ウ」「 5.エ オ」の2つになります。

ふーん,そうなんだ。どうやって判断するだろう?

スク東先生:えっと,結局,正しい肢を選ぶ問題で,「肢ア」が確実に正しい・正解に絡む。そのとき,「ア」と対になっている肢,今回でいうと「1.ア ウ 」の「ウ」と「2.ア エ 」の「エ」の入っている他の肢(「3.イ ウ」の「ウ」,「 5.エ オ」の「エ」)は,論理的に誤りになります。

へぇー。っていうか,なぜ!?

スク東先生:そうなりますよね。「1.ア ウ」を例に考えましょう。現時点で「ウ」の正解はわかりませんが,どういうことが言えますか。

なるほど,「正しい」か「誤っている」かどちらかです。

スク東先生:いいですね。じゃ,簡単な方からいきましょう。「ウ」が仮に「誤っている」場合,どうなりますか。

えっと,「1.ア ウ」「3.イ ウ」が消去法で切れますね。

スク東先生:はい,肢「3」が,正解にならないことが確認できます。次に「ウ」が仮に「正しい」場合,どうでしょう。

「ア」「ウ」が正しいので,「1.ア ウ」が正解になりますね。

スク東先生:その通りです。それじゃ,「3.イ ウ」が正解になりますか?

そうか,なりません。仮に「3」を正解にしようとすると「イ」も正しいとなりますが,それだと正解が「1」と「3」の2つになってしまいますからね。

スク東先生:そういうこと,ということで,論理的に「3.イ ウ」が切れます。同様の理由で,「 5.エ オ」も切れますね。

なるほど,しっかり理解するには慣れがいりそうです。

スク東先生:そうですね。大変ですが,落ち着いて考えてみるとわかると思います。それでは,今日はこの辺りで時間となりましたので,これで終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。

カテゴリー: 民法, 令和3年 | コメントをどうぞ

民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)を検討してみよう 番外編1

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問肢イを検討しました。結局,正解との関係で,難しい肢は無理に検討することはないという話になりました。流れとしては,肢ウに進むはずですが,この機会に確認したいことがあるようです。なんでしょうかね。
折角なので,聞いてみましょう。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

えっと,普通です。

スク東先生:そうですか,よかったです。最近は,寒暖差が大きいので,特に体調管理には気をつけたいですね。
では,早速,前回の続きやっていきましょう。

〔司法試験令和3年第13問・予備試験令和3年第6問〕
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
イ.甲土地の所有権が自己にあると過失なく信じて10年間その占有を継続した者は,甲土地上の抵当権の存在につき悪意であったときは,甲土地の所有権を時効取得することができない。
ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。
エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。
オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ

あれ!!

スク東先生:えっ,どうかしました?!

いやー,前回肢イが終わったので,肢ウをやるのかと思っておりました。

スク東先生:まあ,普通はそうですよね。ただ,先週の検討でちょっと言い忘れたというか,確認した方がいいと思うことがあって,折角なので,今回取り上げることにしたんですよ。

ふーん,そうなんですね。確か,前回は肢アが正しいので,「1.ア ウ」「 2.ア エ」に絞られるから「イ」は,検討しなくていいという話をしました。

スク東先生:いやー,話が早くてありがたいです。そこで正解は「1.ア ウ」と確認したのですが,何か気づきませんか。

えっ,どういうことだろう。

スク東先生:やっぱり,ピンと来ていないですよね。いやー,何気に正解候補を絞っちゃいるんですが,なんで,「3.イ ウ」「 4.イ オ」「 5.エ オ」が入らないかを確認したかったんですよ。

なるほど,確か肢「イ」は誤りでした。

スク東先生:いやー,それはあっているんですど,肢「イ」は難しいので,最悪検討したなくていもいいという論調だったでしょ。

確かに。なんで前回気づかなかっただろう。なんとなく聞いてました。

スク東先生:そうでしょう。実は,「3.イ ウ」「 4.イ オ」「 5.エ オ」の肢が切れる理由は,2つに分類されるんですよ。

えっ,どういうことだろう?

スク東先生:ですよね。その辺りをしっかり,分析したいと思います。本試験も近いので,テクニック的なところも確認した方がいいと思いました。

確かに,実践的ですね。

スク東先生:はい,ちょっとのことですが,意識して問題解くか否かで,解答時間など影響があると思います。しっかりやっていきましょう。

はい,お願いします。と思ったのですが,本格的な検討は来週ですかね。

スク東先生:あれ,よくわかりましたね。パッとやっても,受け身になりますからね。少し時間を与えますので,理由を考えてもらって,その上で,一緒に検討できればと思います。ぜひ,考えてみてください。それでは,今日も時間となりました。この続きはまた,来週お楽しみに。

カテゴリー: 民法, 令和3年 | コメントをどうぞ