予備試験27年12問(民法)肢4を検討する 第7回 賃貸借の目的物と附属物に関する法律関係

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年12問(民法)肢4を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第12問民法肢「4.借主は,契約が終了した場合,目的物を原状に復さなければならないが,借主が目的物に附属させた物を収去するには,貸主の同意を得る必要がある。」を検討していきます。本問は,賃貸借及び使用貸借に関して,使用貸借にのみ当てはまるものを選んでいく問題です。なお,賃貸借の賃貸人及び使用貸借の貸主は,いずれも「貸主」といい,賃貸借の賃借人及び使用貸借の借主は,いずれも「借主」ということになります。

結論は,いかがですか。

東花子さん

はい,賃貸借も,使用貸借も同じ結論になると思います。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えましたか。

考えている

まずは,原状に復すのは,物をもとの状態して返すということです。賃貸借と使用貸借も,目的物を借りていることは同じだと思いました。

そうですね。「借主が目的物に附属させた物を収去するには,貸主の同意を得る必要がある点」はどうですか。

東花子さん

まず,附属させた物が,目的物との関係でどのような状態かはわかりませんね。

それは,その通りですね。続けてください。

東花子さん

はい,附属させた物が目的物と付合していれば,貸主にその所有権は移っているので,収去には,貸主の同意がいると思います。逆に,付合していない場合は,その所有権は,借主のままなので,収去に貸主の同意はいらないと思いました。

おお,いいですね。結局,附属させた物の所有権(物権)が,貸主,借主どちらにあるかに,集約されますね。

花子さん

はい,ですので,債権の内容が,賃貸借でも,使用貸借でも同じ結論になると思いました。

はい,良く理解できていると思います。この肢は,こんなところで良いと思います。
では,時間となりましたので,終わりします。この続きは,また,明日,お楽しみに。



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予備試験27年12問(民法)肢3を検討する 第6回 民法559条の意味を考える その3

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年12問【司法試験27年24問】(民法)肢「3.貸主が死亡した場合,契約は当然に終了する。」を検討していました。
賃貸借,使用貸借ともに当然に終了しないことを確認しました。
話の流れで,559条が,「借主」の死亡では終了するが,「貸主」の死亡では終了しない。その意味を確認することとなりました。
昨日は,「貸主」が死亡した場合を,考えましたが,本日は,「借主」が死亡した場合を考えます。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

東さん,こんにちは。早速,昨日の続きについて検討していきましょう。使用貸借の「借主」が死亡した場合,効力が失うとする559条の意味は,わかりましたか。

第六節 使用貸借
(略)
民法第599条
使用貸借は,借主の死亡によって,その効力を失う。

東花子さん

ヒントをもらって,考えて見たところ,整理できたような気がします。

そうですか。いいですね,では,一緒に確認していきましょう。借主が死亡した場合,その相続人は,いつ目的物を使用収益できますか。

考えている

そうですね,実際の問題はあるかと思うのですが,被相続人の死亡時です。

はい,死亡時に相続が発生して,権利義務が承継されるからですね。
そうすると,仮に使用貸借契約の借主も相続がされると考えた場合,死亡の際に,ただで目的物を使用収益できる期待が,新たに発生しますね。

花子さん

そうですね。被相続人が生きているうちは,相続人は,目的物を当事者として使用収益できませんからね。

まあ,被相続人と相続人が一緒に生活などをしていた時に,占有補助者として事実上,目的物を使用収益がしていることはあるかもしれませんが,それは,別の問題です。
あくまでも,当事者として,目的物の占有を始められるのは,被相続人の死亡時となります。

東花子さん

はい,ですので,相続人の期待は,偶然の事情で「新たに」発生したにすぎず,保護の必要性も,低いと思います。

そうですね。貸主としても,特別の信頼関係がない借主の相続人に,ただで使用収益されるのは,意思として予定していないはずです。

東花子さん

はい,ですので,貸主の方を保護すべきだと思いました。

はい,その辺りを受けて,559条は,効力を失うと規定しているのだと思います。具体的に利益衡量をすることが,理解を行う上で大事ですね。この肢は,こんなところで良いでしょう。では,ちょうど,時間となりましたので,ここで,終わりにいたします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験27年12問(民法)肢3を検討する 第5回 民法559条の意味を考える その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年12問【司法試験27年24問】(民法)肢「3.貸主が死亡した場合,契約は当然に終了する。」を検討していました。
賃貸借と使用貸借ともに,契約は相続されるので,当然に終了しないことはわかりました。賃貸借は,比較的,相続されることは分かりやすいのですが,使用貸借は,559条があります。
この条文について,意味をしっかり確認することになったのでした。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

東さん,こんにちは。早速,昨日の続きについて検討していきましょう。使用貸借の「貸主」と「借主」で,死亡の際の結論が異なる意味は分かりましたか。

第六節 使用貸借
(略)
民法第599条
使用貸借は,借主の死亡によって,その効力を失う。

東花子さん

うーん,もしかしたら,こうかもと思うことはあります。

そうですか。いいですね。まずは,本肢で直接,問われている「貸主」が死亡した場合から,お聞かせください。

考えている

はい,貸主が死亡したときに当然に終了すると,さすがに,無償であっても,賃借人の目的物の使用収益の期待が害されるように思いました。

なるほど,「貸主」の死亡は,「借主」にとっては,偶然の事情と考えれます。
そこで,契約が当然に終了することは,借主側に不測の事態が発生する可能性があります。

花子さん

はい,だから,相続されるのだと思いました。

結論は,あっているのですが,使用貸借契約の貸主の相続人と借主とは特別な信頼関係がありません。それにも関わらず,相続人は,ただで目的物を借主に貸し続けなければなりませんね。

東花子さん

うーん。それは,そうですが,生前,被相続人が使用貸借契約をしたのだから,その意思を尊重すべきだと思います。

なるほど,一定の説明になっております。他には,使用貸借の場合は,終了の事由も広く認めていることも,理由として考えられますよ。条文を上げておきます。

民法第597条
1 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。
2  当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。
3  当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。

東花子さん

なるほど,相続人は,特別の信頼関係がない借主に,ただで貸さなければいけないが,597条で一時的なものである。なので,被相続人の生前の意思を尊重して,少し我慢しろということなのですね。

そうですね。これが,使用貸借契約の貸主の相続人よりも「借主」を保護すべき理由と思われます。
一方で,599条の場合(借主の死亡の場合)は,どうなりますか。

東花子さん

条文にある通り終了することとなりますね。貸主の死亡の場合と,利益状況が違うからだとは,思うのですが・・・。あれ,どう考えてきたんだっけ。うーん。

なるほど,ぜひ,思い出してもらいましょう。ヒントは,借主が死亡して相続する場合,いつから相続人は,目的物を使用収益できるのかを考えると良いですよ。
一気に確認をしたかったのですが,時間となってしまったので,終わりとさせていただきます。
では,この続きは,また明日。お楽しみに。



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予備試験27年12問(民法)肢3を検討する 第4回 民法559条の意味を考える その1

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年12問【司法試験27年24問】(民法)肢3を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第12問【司法試験27年24問】民法肢「3.貸主が死亡した場合,契約は当然に終了する。」を検討していきます。賃貸借及び使用貸借に関して,使用貸借にのみ当てはまるものを選んでいく問題です。なお,本問において,賃貸借の賃貸人及び使用貸借の貸主は,いずれも「貸主」といい,賃貸借の賃借人及び使用貸借の借主は,いずれも「借主」という。

この肢は,どうですかね。

考えている

はい,賃貸借も使用貸借も両方あてはまりません。

そうですね。どうして,そう思いましたか。

花子さん

それは,死亡すると,通常,権利義務が相続されるからです。(896条本文)

確かに,それはそうです。しかし,ちょっと,考えて見たい条文がありますよ。

第六節 使用貸借
(略)
民法第599条
使用貸借は,借主の死亡によって,その効力を失う。

東花子さん

なるほど,599条は,「借主」とあるので,「貸主」の死亡は関係ないと思います。

その通りですが,やはり,意味を押えたいですね。
賃貸借契約は,相続されることは,なんとなくイメージできるとは思います。しかし,使用貸借では,「借主」死亡と「貸主」死亡で結論が異なるのですが,なにが違うのですかね。

考えている

うーん,目的物をただで貸すのだから,当事者間に特別の信頼関係があると考えられます。だから,「借主」の死亡により終了するのではないでしょうか。896条ただし書も「被相続人の一身に専属したものは,この限りでない」としているわけですし・・・。

なるほど,契約は,財産的なものなので,形式的に見ても一身に専属するものではないですね。しかし,使用貸借の場合,当事者の特別な信頼関係があるから無償で貸したとも考えられます。ですので,「被相続人の一身に専属したもの」といえそうですね。559条は,それを受けて,終了させていると考えられますので,東さんの指摘も間違ってはいないと思うのですが・・・。

考えている

あれ,何か意味深ですね。

はい,その説明だと,終了原因を「借主」だけに,限定する必要はないんじゃないですか。「貸主」だって,契約当事者なんだから。

花子さん

確かに,それは,その通りです。気づきませんでした。

そうですね。問題点は,わかったので,なぜ,「借主」の死亡のときだけ終了するのかを,ぜひ考えて見ていただければと思います。
ここは,イメージでしっかり押さえたいですね。

一気に,説明を致したかったのですが,少し長くなりそうなので,ここで本日は,終わりにします。
東さん,ぜひ考えて見てください。ヒントは,使用貸借の目的物の占有が,賃借人にあります。そこを中心に考えると押えやすいですよ。

では,この続きは,また明日。お楽しみに。



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予備試験27年12問(民法)肢2を検討する 第3回 民法594条1項,民法616条

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花子さんは,予備試験27年12問【司法試験27年24問】(民法)肢2を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第12問【司法試験27年24問】民法肢「2.借主は,契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い,目的物の使用及び収益をしなければならない。」を検討していきます。賃貸借及び使用貸借に関して,使用貸借にのみ当てはまるものを選んでいく問題です。なお,本問において,賃貸借の賃貸人及び使用貸借の貸主は,いずれも「貸主」といい,賃貸借の賃借人及び使用貸借の借主は,いずれも「借主」という。

この肢は,どうですかね。

考えている

はい,賃貸借も使用貸借も両方あてはまります。

そうですね。その通りですね。どうして,そう思いましたか。

東花子さん

うーん。やはり,条文があったと思います。

なるほど,そうですね。確認して見ましょう。

第六節 使用貸借
(略)
民法第594条
1. 借主は,契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い,その物の使用及び収益をしなければならない。
2.(略)
3.(略)

第七節 賃貸借
(略)
民法第616条
第594条第1項,第597条第1項及び第598条の規定は,賃貸借について準用する。

確かに,条文はそうなっているのですが,どうしてでしょうかね。例によって,条文を意味づけたいですね。

東花子さん

うーん,どうでしょう。

そうですね。結論が,同じなので,賃貸借契約と使用貸借契約で,同じところを考えて見たいですね。
どうでしょうか。

考えている

賃借人が,目的物を継続的に使用収益しているということですか。

いいですね。継続的な取引関係がポイントですね。そうすると,信頼が大事になってきます。

東花子さん

なるほど,それは,そうです。

そうすると,賃貸人に不測の損害を与えないようにする義務を賃借人が負います。

東花子さん

そうか,だから,「その目的物の性質によって定まった用法に従い,その物の使用及び収益をしなければならない。」としないといけないのですね。

はい,この肢は,こんなところで,いいでしょう。条文の意味をイメージできれば,忘れてもいつでも,思い出せますね。
せひ,勉強の際,ご意識ください。では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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