予備試験30年7問(民法)肢オを検討する 第8回 詐害行為取消権の対象になるか(確定日付のある債権譲渡の通知)

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年7問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験30年7問(民法)肢「オ.債務者が自己の第三者に対する債権を譲渡した場合において,債務者がこれについてした確定日付のある債権譲渡の通知は,詐害行為取消権行使の対象とならない。」を検討していきます。

結論は,どうですか。

考えている

正しいですね。

そうですね。どうしてでしょう。

東花子さん

判例があるみたいです(最判平10.6.12)。

なるほど,それだとただ知っているだけですね。
どの辺がポイントなりそうですかね。

東花子さん

うーん,債権譲渡そのものが取消せないときでも,通知を消せないかという問題でしょうか。

そうですね。
確かに,問いにはありませんが,あえて通知の取消を求めているということはそういうことなのでしょう。
ただ,判例は,通知のみの取消を認めておりません。これはどうしてでしょう。

考えている

えっと,結果的に債権譲渡も害されてしまうからだと思いました。

いいですね。問題ない部分にまで債権者に過度の介入を認めることは,取引の安全を害し問題です。

東花子さん

はい,ですので通知について取消を認めなかったのでしょう。

はい,あとは結論ありきで,通知行為は,事実行為に過ぎず詐害行為取消の対象とならないと説明しておけば大丈夫です。

東花子さん

なるほど,わかりました。大事なことは,まず利益状況を踏まえて,世間としてどのようにあるべきかを考える。その上で,法的な理屈ですね。

その通り。順番が大事です。それをしないと,ただの辛い暗記になってしまいます。
ぜひ,気をつけましょう。それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。
この続きは,また来週!お楽しみに。



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予備試験30年7問(民法)肢エを検討する 第7回 転得者に詐害行為取消権を行使するには。(424条の5) 

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年7問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験30年7問(民法)肢「エ.贈与が虚偽表示に該当することを知らない転得者との関係において,当該贈与を詐害行為取消権の対象とすることはできない。」を検討していきます。

結論は,どうですか。

考えている

誤ってます。

そうですね。どうしてでしょうか。

東花子さん

うーん,どうでしょう。

なるほど,理由もわかっていないのにどうして分かったんですか?

考えている

すいません。条文でしょうか。

いいですね,確認しましょう。

(転得者に対する詐害行為取消請求)
第424条の5
債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、受益者に移転した財産を転得した者があるときは、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場合に限り、その転得者に対しても、詐害行為取消請求をすることができる。
一 その転得者が受益者から転得した者である場合
その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。
二 その転得者が他の転得者から転得した者である場合 その転得者及びその前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。

改めてどうでしょう。

東花子さん

えっと,「その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき」であれば詐害行為取消の対象になると思いました(424条の5 1号)。

そうですね。細かく言えば2号もあるのですが,本題のじゃないので割愛しましょう。
結局,転得者がいわゆる民法94条2項の第三者でも,債権者を害する意思があれば詐害行為取消権の対象となります。

考えている

はい,債権者取消権の目的が債権者保護ですからね。

そういうことです。こんな感じでざっくり押さえましょう。
あれ,東さん何かいいたさそうですね。

東花子さん

いやー,今週は更新がおくれたなぁって・・・。

なるほど,そうですね。ちょっと,お盆のゼミをやっていて遅れてしまいました。
言い訳は,あまりよくないですが,失礼しました。えっ,まだ何か言いたそうですね。

考えている

えっと,更新頻度も少なくなったし,内容もマンネリ化してきたような・・・。

うーん,痛いところつかれましたね。私もそろそろ検討のテーマを変えようと思ってます。
とりあえず,肢オまでは検討しますが,その後は新たなことを始めようと考えております。

東花子さん

そうなんですね。発表は次週ですね?楽しみにしてます。

はい,ぜひそうしてください。それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。
この続きは,また来週!お楽しみに。



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予備試験30年7問(民法)肢ウを検討する 第6回 特定債権の債権者が詐害行為取消権を行使できるか(最判昭30.10.11) 

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花子さんは,予備試験30年7問(民法)肢ウを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験30年7問(民法)肢「ウ.詐害行為取消権の対象となる贈与の目的物が不可分なものであるときは,その価額が債権額を超過する場合であっても,贈与の全部について取り消すことができる。」を検討していきます。

結論は,どうですか。

考えている

正しい。

そうですね。どうしてでしょうか。

東花子さん

判例があります。(最判昭30.10.11)

なるほど,それだと。

考えている

そうですね。ただの暗記ですね。

はい,そうですね。ですので,意味を考えていきましょう。
結局,どの辺がポイントになりそうですか。

東花子さん

価格が債権額が超過する場合であっても,全部について取消せるかという話ですか。

いいですね。やはり,大事な過去とは,問題に書いてある事情を,拾うことです。
判例は,贈与について全体を取消せるとなっておりますが,これはどう理解しましょう。

考えている

はい,自己の債権額のみ取消させるのが,本来ですが,目的物が不可分なのでしかたないですね。

ええ,他の手段では,債務者の責任財産が変わってしまうので,保全の目的が達成できないですからね。

東花子さん

そうですね。ですので,この場合は,贈与全体を取消せると理解すれば良いと思いました。

そうですね。今日は,ひねりがなかったですが,できるところは,さくさく進んでいきましょう。
それでは,今日も時間となりましたので,終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。



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予備試験30年7問(民法)肢イを検討する 第5回 特定債権の債権者が詐害行為取消権を行使できるか(最判昭36.7.19) その2

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年7問(民法)肢「イ.不動産の買主は,その売主がその不動産を第三者に贈与した場合,それによって売主が無資力となったとしても,当該贈与を詐害行為取消権の対象とすることができない。」を検討することになりました。
特定債権の債権者に詐害行為取消権を認めることは,債務者の責任財産保全という詐害行為取消権の目的からずれるのではという話をしていました。早速,始めていきましょう。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,続きをやっていきましょう。
整理できましたか。

考えている

はい,一応。結局,詐害行為取消権をこの場合に認めないと,不動産の買主が保護されない。取引の安全が害されるという思いました。

そうですね。本件の売主は,無資力です。不動産の買主としては,不動産をどうしても手に入れないと困ります。

東花子さん

ええ,無資力の人に,賠償請求権を持っていてもしかたないですからね。

はい,状況を踏まえると,買主を保護する必要性があるのは明らかです。
あとは,それに沿って解釈をしていくわけです。

花子さん

はい,そこで特定債権も究極的には金銭債権に変わる。したがって,詐害行為取消権を行使できるといえばいいですね。

そういうことです。判例の結論を頭ごなしに抑えるのではなく,世の中として合理的な結論持っていくように法解釈を通して,法理論と社会を調整しているんだと考えましょう。

東花子さん

わかりました。そういう意識で,判例を意識することにします。

そうですね。ぜひ,そうしてください。
それでは,今日も時間となりましたので,終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。



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予備試験30年7問(民法)肢イを検討する 第4回 特定債権の債権者が詐害行為取消権を行使できるか(最判昭36.7.19) その1

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花子さんは,予備試験30年7問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験30年7問(民法)肢「イ.不動産の買主は,その売主がその不動産を第三者に贈与した場合,それによって売主が無資力となったとしても,当該贈与を詐害行為取消権の対象とすることができない。」を検討していきます。

結論は,どうですか。

考えている

誤ってますね。

そうですね。どうしてでしょうか。

東花子さん

判例があります。(最判昭36.7.19)

なるほど,それだと。

考えている

そうですね。ただの暗記ですね。

はい,そうですね。ですので,意味を考えていきましょう。
結局,どの辺がポイントになりそうですか。

東花子さん

えっと,当該被保全債権が,不動産の引渡請求権ということで,特定債権ということでしょうか。

おお,よく分かりましたね。どうして,分かったんですか。

東花子さん

いやー,いろいろ調べたら書いてありました。

なるほど,まあ,それはいいでしょう。
じゃあ,債権の内容が特定債権のときに,どうして詐害行為取消権の行使できるかの問題がでるのでしょうか。

花子さん

はい,債務者の責任財産の保全をすることが詐害行為取消権の目的だったと思うので,そこと関連していたと思います。

いいですね。そこをもうちょっと詰めて説明してもらえますか。

東花子さん

えっと,債務者の責任財産の保全は,すべての債権者のためと考えれます。特定債権の場合,文字通り特定の債権者のためになってしまうので,詐害行為取消権の制度目的とはずれるのではという問題意識だと思います。

おおよく勉強しているじゃないですか。なんかこの間にいいことあったんですか。

考えている

いやー,そんなことないけど。ただ,更新回数が少なくあったので,まきで行こうかなぁって!?

あらぁ!?気を使っていただいたありがとうございます。
なるほど,問題点は分かったのですが,判例は詐害行為取消権を認めてますね。これは,なぜでしょう。

東花子さん

うーん,なんでだろう。やっぱり,この場合に請求を認めないと問題があるからだと思うのですが,少し考えていいですか。

そうですね。ぜひ,やってもらいましょう。やはり,キチンと記憶に残すには,なぜとか,どうしてか考えて勉強しましょう。そうしないと忘れてしまいますかね。

それでは,今日も時間となりましたので,終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。



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