司法試験29年25問(民法)肢オを検討する 第12回 554条,1022条(死因贈与の撤回)その4

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年25問(民法)肢「オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。」を検討することになりました。
制度を理解するには,相違点に着目することが大事のようです。昨日は,死因贈与と遺贈の違いが花子さんは答えられませんでしたね。無事,できたでしょうかね。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
忘れないように,条文を載せておきますね。

(死因贈与)
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(遺言の撤回)
民法第1022条
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

結局,死因贈与と遺贈の違い,わかりましたか。

考えている

そうですね,死因贈与は契約,遺贈は単独行為でしょうか。

いいですね。贈与の場合,相手がいないと成立しません。死因贈与の場合,相手方が内容に気づかないことはなさそうです。
あとは,遺贈の場合,遺言で行われるので,要式性が必要となります。
大枠は,こんなところでしょう。

東花子さん

そうですね。

そこで問題は,今回の撤回(1022条)が,死因贈与と遺贈の異なる点(「その性質に反しない」部分)にあたるかという話になります。

花子さん

なるほど,ということは,1022条がなぜ撤回を認めているかを特定しないといけません。

そうですね。死因贈与と遺贈の共通の性質から来るものであれば,同条を準用できる。
異なる性質であれば,準用はできないということになりますからね。
では,どうして1022条は撤回を認めているのですか。

東花子さん

えっと,それは,本人の最終的な意思を尊重する必要があるからです。

いいですね。遺言作成したことによって,本人が遺言に過度に拘束されるのは問題です。
ですので,撤回を認めているわけですね。

東花子さん

はい,そこを踏まえると,死因贈与も同じように思いました。

そうですね。死亡時に効力が発生するものに対して,過度に拘束されるのは問題です。
本人の意思を尊重する必要がありますね。

東花子さん

ええ,確かに,死因贈与は契約です。したがって,契約締結の段階で,相手方には内容を把握しています。したがって,遺贈より相手方の期待は,あるかもしれません。しかし,効力発生時期が死亡時です。ですので,本人の撤回を制限するほどではないと思いました。

いいですね。利益状況を押さえております。そんな感じで,整理できれば良いでしょう。
はい,この肢は,こんなところで取りあえず,大丈夫でしょう。
今回の検討を通して,学習の視点も上げたので,しっかり,復習しておいてください。
それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年25問(民法)肢オを検討する 第11回 554条,1022条(死因贈与の撤回)その3

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年25問(民法)肢「オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。」を検討することになりました。
その際,条文の意味を1つ1つ確認することになったのですが,花子さんはキチンと考えることができたのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
例によって,条文を載せておきます。

(死因贈与)
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(遺言の撤回)
民法第1022条
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

まず昨日,死因贈与が遺贈に関する規定を準用するのはなぜかということを確認しましたね。

考えている

はい,死因贈与も遺贈も効力の発生時期が死亡という点で,類似性があるからということでした。

よく復習ができてます。その後の質問は,「性質に反しない限り」について,考えを整理することでした。やってみましたか。

東花子さん

そうですね,一応。結局,死因贈与と遺贈で,異なる点に着目することがポイントだと思いました。

いいですね。どうして,分かったんですか。

花子さん

いやー,準用する理由は,死因贈与と遺贈の類似性に着目していました。ということは,準用できない理由は,その逆なんじゃないかなと思って・・・。

その通り,良く気づきました。法律を勉強していると似たような制度は,いくつかでてきます。その時は,相違点に着目するといいです。

東花子さん

なるほど,一見同じような物をハッキリ区別することは,理解の向上につながりますからね。

そういうこと!こういう所は,制度の理解が聞けるところなので,試験的にも重要になります。
それで結局,死因贈与と遺贈はどの点が大きく違うのでしょうか。

東花子さん

えっと,どこが違うんでしょ?

ズコッ,そりゃないですよ。折角,着眼点が分かったんだから,そこをしっかり考えてやらないと・・・。

東花子さん

確かに,そうです。昨日の質問の答えが分かった段階で,有頂天になっていました。

そうですか。気持ちはわかりますが,積極的にその先を考えるという姿勢がとても大事になってきます。結局,今回の質問は,問題を筋道立てて論理的に説明,整理するためにしているわけですから。

東花子さん

うーん,よーく分かりました。気が付けば,目先の質問に答えることだけに意識がいってました,反省です。

そうですね。最初のうちは難しいかもしれませんが,論理を積み上げて,自分なりに考えを整理することが大事です。
これをしないと,場当たり的になり,受け身となってしまいがちですので,気を付けましょう。
それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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司法試験29年25問(民法)肢オを検討する 第10回 554条,1022条(死因贈与の撤回)その2

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花子さんは,司法試験29年25問(民法)肢「オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。」を検討することになりました。
結論は,正しいですが,例によって一つ一つ条文の意味を考えることになりました。
花子さんは,しっかりと整理することができたのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
条文を載せておきますね。

(死因贈与)
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(遺言の撤回)
民法第1022条
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

まず,死因贈与が遺贈の規定を準用するとなってますね。この点について,考えましたか。

考えている

そうですね。結局,死因贈与も遺贈も効力の発生時期が死亡時です(985条1項)。両者には類似性がありますね。

おお,いいですね。似た性質をあるので,準用と理解するとしっくりきますね。
いいところに着目しました。

東花子さん

ありがとうございます。

まあ,今の大前提の理解(死因贈与と遺贈の効力発生時期が共に死亡時という理解)は,それでいいとして,554条に,性質に反しない限りとあります。これは,何をいっているのでしょうね。

考えている

うーん,死因贈与の性質に反しない限りということでしょうか。

いやいや,それだと,ただ字面を追っているだけのように思いますが・・・。

東花子さん

確かにそうですね。どういうことだろう。

なるほど,わからなくなってしまいましたね。
そうしたら,時間をあげるので,しっかり考えを整理して貰えますか。

考えている

なるほど,わかりました。

はい,ぜひやってみてください。整理の方向性は,今日の議論の中で,死因贈与と遺贈のある点に着目しました。
それが,どの点だったかを思い出すと「性質に反し限り」の意味が分かってくるように思いますよ。

東花子さん

そうなんですね。ヒント,ありがとうございます。参考にしたいと思います。

とにかく,考えることが大事ですので,コツコツやっていきましょう。では,今日も時間となりましたのでここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年25問(民法)肢オを検討する 第9回 554条,1022条(死因贈与の撤回)その1

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まずは,前回までのあらすじから

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花子さんは,司法試験29年25問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年25問(民法)肢「オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。」を検討していきます。

結論はどうでしょう。

考えている

正しいですね。

なるほど,どうしてでしょうか。

東花子さん

条文ですかね。

なるほど,確認してみましょう。

(死因贈与)
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(遺言の撤回)
民法第1022条
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

確かに,条文に規定がありますね。

東花子さん

はい,ですので贈与者は撤回できます。

そうですね。結論は,それでいいのですが・・・。

東花子さん

ええ,それだとただ,条文知っているだけっていいたんいんでしょ。

そうですね。本番では,条文も見れませんからね。ですので,やっぱり意味を考える必要があります。
どの辺りから,やっていきましょうか。

考えている

うーん,やはり原則だと思います。

いいですね。では,書面による贈与は撤回できますか。

東花子さん

確か,撤回できませんでした。

そうですね。条文も確認しておきましょう。

(書面によらない贈与の撤回)
民法第550条
書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

考えている

書面を作成した時点で,慎重に法律行為が行われてます。その時点で,契約への期待も生じているでしょうから,取引の安全を図る必要性がありますね。

いいですね。原則の筋は,それで大丈夫でしょう。
ただ,死因贈与の場合,書面によるものでも撤回を認めてます。
厳密には,死因贈与が遺贈の規定を準用していて,遺贈が撤回を認めているということですが・・・。

東花子さん

うーん,確かに。少し「ごちゃごちゃ」してきました。

そうですね。結局,死因贈与が,なぜ遺贈の規定を準用しているのか。
そして554条には,性質に反しない限りとなっていますが,撤回(1022条)についてはどうなのかを考える必要がありそうです。

考えている

なるほど,わかりました。1つずつ整理したいので少し時間を貰っていいですか。

わかりました,やってもらいましょう。しっかり,この機会に考えてもらいたいと思います。
それでは,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年25問(民法)肢エを検討する 第8回 負担付贈与(民法553条)

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東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年25問(民法)肢「エ.贈与については,負担付きのものであっても,双務契約に関する規定は準用されない。」を検討していきます。

結論はどうでしょう。

考えている

誤っていますね。

なるほど,どうしてでしょうか。

東花子さん

条文ですかね。

なるほど,確認してみましょう。

(負担付贈与)
民法第553条
負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。

確かにそうですね。

東花子さん

はい,ですのでハッキリわかりました。

ただ,それだと・・・。

花子さん

例によって知っているだけだといいたいんでしょ。

そうですね。ですので,意味を確認したいのですが,どうでしょう。

考えている

うーん,確かに,贈与契約において,通常,贈与者だけが債務を負います。ただ,負担付贈与では,受贈者も負担を負います。そうすると,互いに債務を負担しているのと同様の状況にあると思いました。

いいですね。ですので,553条は,双務契約の規定を準用してます。
これは,分かりやすいですね。

花子さん

はい,そう思いました。

そうですね。ここまで,分かりやすいのは,あまりないですが,たまにはさくっと終わらせますか。

考えている

なるほど,わかりました。

まあ,本題ではありませんが,553条には,「その性質に反しない限り」とあります。
この機会に,注意しておいてください。それでは,今日は,少し早いですが,時間となりましたので,終わりにします。
この続きは,また明日お楽しみに。



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