予備試験28年6問(民法)肢5を検討する 第6回 民法330条,民法334条

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年6問(民法)肢5を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「5.動産先取特権は,動産質権に優先する。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文がそうなっていたような。

そうですね。確認してみましょう。

(動産の先取特権の順位)
民法第330条
1 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。

一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権

2 前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
3 果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。

(先取特権と動産質権との競合)
民法第334条
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。

確かに,条文上は,質権と動産の先取特権が競合している場合は,330条の第一順位と同じになりますね(334条)。知っていた場合は,優先権を行使できないとなってます(330条2項)。

考えている

そういうことですね。

この条文によれば,本肢は,誤りというになりますが,結構,ややこしい取扱いになってます。

東花子さん

そうですね。ですので,意味を確認するということでしょうか。

はい,早速,そう行きたいのですが,この条文の検討は,以前検討していました。

今回の詳細の説明は,こちらに譲りたいと思います。

第4回を見ていただけるとポイントが分かると思います。
従前の検討では,不動産との取扱いの違いも検討してます。不動産との違いも含めて理解したい方は第3回からご確認ください。

第1回と第2回は,問題文と条文の知識の確認です。全体の流れを見たい方のみ,ご確認ください。

第1回 心構えと導入編
第2回 条文からの解答
第3回 不動産売買と抵当権との比較
第4回 利益状況を具体的に考える

花子さん

なるほど,確かに,検討してます。ということは,過去問をやっていれば,この肢は即答ですね。

そうですね。このブログでも検討している位なので,そういうことです。過去に,理解するポイントを挙げているので,ぜひご参考ください。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験28年6問(民法)肢4を検討する 第5回 留置権と抵当権の競売申立権

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花子さんは,予備試験28年6問(民法)肢4を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「4.留置権者及び抵当権者は,いずれも目的物の競売を申し立てることができる。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文がそうなっていたような。

そうですね。確認してみましょう。

民事執行法
(留置権による競売及び民法 、商法 その他の法律の規定による換価のための競売)
第195条 留置権による競売及び民法 、商法 その他の法律の規定による換価のための競売については、担保権の実行としての競売の例による。

民事執行法まで,押えているなんて,すごいですね。

考えている

いやいや,調べたら書いてあったので・・・。

そうしたら,調べられなかったら,結局,ダメじゃないですか。

東花子さん

はい,そうなります。

そうですよね。だから,意味を確認していきましょう。なぜ,留置権も,抵当権も競売を申し立てできるのでしょうかね。

東花子さん

結局,担保の実効性を確保するものだと思います。

いいですね。担保というのは,被担保債権を確実に回収するためのものですね。いざという時に,回収手段が取れなければ,担保として認めた意味がないですね。

考えている

そうですね,単純にそういうことだと思います。

概ね,大丈夫だと思います。ちなみに,換価された金銭はどうなりますか。

東花子さん

担保なので,優先的に回収できるのではないでしょうか。

なるほど,抵当権は,それで合っているのですが,留置権は優先弁済効はありませんよ。留置的効力がポイントで,交換価値を把握してませんからね。

東花子さん

なるほど,でもそれだと留置権者は,わざわざ競売を実行したのに損するように思うのですが。

そうですね。一見,そう思われますが,実際には,相殺により事実上の優先弁済効が得られますよ。相殺を行使することにより担保の実効性が図られます。

東花子さん

留置権も担保物権として認められているので,実効性は確保されているのですね。大変よく分かりました。

そうですね。この肢は,こんな所で良いでしょう。
結局,留置権も抵当権も担保物権としての実効性があるというのがポイントです。
しっかり,意味を確認しておきましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験28年6問(民法)肢3を検討する 第4回 留置権(302条)と動産質権

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花子さんは,予備試験28年6問(民法)肢3を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「3.留置権は,占有を第三者に奪われた場合も消滅しないが,その場合には,第三者に対抗することができない。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文がそうなっていたような。

そうですね。確認してみましょう。

(占有の喪失による留置権の消滅)
民法第302条
留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第298条第2項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。

確かに,条文がありますね。しかし,それだと忘れてしまうと困ってしまいますね。

考えている

はい,だから,例によって意味を考えていきたいですね。

そうですね。留置権は,どういった担保物権でしたでしょうか。

東花子さん

確か,目的物を留置することで,被担保債権の弁済を促すものだったと思います。

いいですね。そうすると,留置物の占有を失ってしまったら,留置的効力もなくなってしまいますね。

東花子さん

そうですね。留め置く物がないのですから,もはや弁済を促すことができません。

はい,だから,302条ただし書の場合を除いては,担保物権としての実効性が乏しいので消滅することになってますね。
まあ,結論を出すには,それで概ね良いのですが,この肢は何と勘違いさせようとしたのでしょうか。

考えている

うーん,良くわかりません。

そうですか。動産質ですよ。条文も見てみましょう。

(動産質の対抗要件)
第352条 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。

花子さん

なるほど,確かに動産質の場合は,占有が対抗要件となってます。肢3は,動産質と留置権をそっくりいれかえた問題だったんですね。気づきませんでした。

そうですね。なかなか,分からないかもしれません。動産質の場合は,占有が奪われても第三者に対抗力がなくなるだけで,質権は消滅しないことになるのですが,なぜだか,わかりますか。

考えている

まあ,当事者間では,質権を残す実益があるのでしょうね。

そうですね。ここからは,いろいろ考えられますが,質権を設定した後,質権設定者に目的物を渡す場合があるのでしょう。
条文は,禁止しているのですが・・・。

(質権設定者による代理占有の禁止)
第345条 質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。

東花子さん

質権は占有担保物権なので,345条がありますね。動産の非占有担保物権として,現在は譲渡担保権が解釈上認められてますが,明文がない点で問題もありそうです。ですので,必要に応じて当事者間で質権設定者に目的物を戻すことも行われていたのでしょうね。

そうですね。物権法定主義が原則(175条)なので,余計そうでしょう。ただ,動産にも,非占有担保物権を認める必要性が高いです。ですので,判例は,質物を設定者に返還した場合にも,質権は当事者間で消滅しないで,第三者に対抗できないに過ぎないとしたのでしょうね。(大判5.12.25)。

考えている

先生,思ったのですが,当事者間で質権が消滅しないのは,約定で設定している点も大きいように感じました。

そうですね,当事者間で質権設定契約を行っています。偶然の事情で,契約の拘束力を消滅させる合理的な理由もなさそうです。
この点でも,留置権と質権とで利益状況が大きく違いますね。いろいろ,考えてみましたが,こんなところで良いと思います。
留置権と動産質権の取扱いの違いをこの機会に押さえておきましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験28年6問(民法)肢2を検討する 第3回 物上代位ができる担保物権を確認しよう(304条,350条,372条)

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東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「2.留置権,先取特権,質権及び抵当権には,いずれも物上代位性が認められる。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文がそうなっていたような。

そうですね。確認してみましょう。

第8章 先取特権
第1節 総則

(物上代位)
第304条  先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2  債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

第9章 質権
第1節 総則

(留置権及び先取特権の規定の準用)
第350条  第296条から第300条まで及び第304条の規定は、質権について準用する。

第10章 抵当権
第1節 総則
(留置権等の規定の準用)
第372条  第296条、第304条及び第351条の規定は、抵当権について準用する。

なるほど,先取特権は304条,質権は,350条で304条,抵当権は,372条で304条を準用してますね。
そして,留置権は304条を準用していないですね。

花子さん

はい,だから誤りとなります。

結論は,あっているのですが,なぜ,そうかを考えていきたいですね。どうして,そうなるか,分かりますか。

考えている

うーん,良くわかりません。

なるほど,そうですか。では,物上代位はなぜ,認められるのでしょうか。

東花子さん

確か,物の交換価値であれば,担保として代位を認めても良いからでしょうか。

そうですね。物の交換価値がポイントですね。そこまで,分かっていれば,先取特権と質権と抵当権は物上代位ができる意味が分かると思いますよ。

花子さん

そうか,わかりました。担保の内容が物の交換価値を把握しているかがポイントですね。先取特権も一般的に対価関係を見てますし,質権,抵当権は,目的物を価値を見て設定してますものね。

その通りです。ですので,担保の実効性を高めるために,交換価値といえる債権であれば,担保として把握した内容いえるので物上代位を認めてますよ。

考えている

なるほど,そう考えれば,留置権に物上代位ができないのも説明できます。あくまでも,留置権は留置的効力がポイントで,目的物と価値と被担保債権の額の対価的均衡は一般にとれてませんからね。

いいですね。東さんのご指摘の通り,留置権には,物の対価的均衡は入っておりませんので,物上代位を認めることは予定してませんね。

東花子さん

はい,対価的均衡がないのは,留置権で問題な事例を考えると良くわかります。例えば,時計の修理などは,時計と修理代は均衡がとれてませんからね。

そうですね。具体例も含めて押さえると非常に良いです。
こう考えると,事実をもとに条文も設計されていることは良くわかりませすね。ぜひ,意識して勉強していきましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験28年6問(民法)肢1を検討する 第2回 不動産先取特権と質権・抵当権の関係

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東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「1.同一不動産上の先取特権,質権及び抵当権の優先権の順位は,当該各担保物権の登記の前後によって決まる。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文があったような。

そうですね。確認してきましょう。

(不動産の先取特権)
民法第325条
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。
一  不動産の保存
二  不動産の工事
三  不動産の売買
(不動産の先取特権の順位)
民法第331条
同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。

(不動産保存の先取特権の登記) 民法第337条 略
(不動産工事の先取特権の登記) 民法第338条 略

(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
民法第339条
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。

(不動産売買の先取特権の登記) 民法第340条 略

(抵当権の規定の準用)
民法第361条 不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。

いろいろ条文があって大変です。結局,不動産の先取特権の順番は,保存,工事,売買の順番ですね(325条,331条)。

考えている

はい,いわゆる保(ほ)工(こう)売(ばい)ですね。

そうですね。語呂はあまり進めませんが,その位はいいでしょう。質権と抵当権の場合は,不動産売買と同じ順位になります。(337条,338条,339条,361条)。同順位の関係は,登記の前後ですね(177条)。

東花子さん

まあ,そういうことですね。

はい,結論は,それで良いのですが,相変わらず覚えてられませんね。

東花子さん

そうですね,やはり意味を考えたいところです。

方向性は,東さんも良くわかっていると思いますので,早速,一緒に考えてみましょう。まず,先取特権の中で,保存・工事・売買について関係性を見る。その後に,抵当権・質権と先取特権の関係を見たいと思います。

花子さん

なるほど,一緒にするとごちゃ,ごちゃになりますからね。

良くわかってますね。では,保存・工事・売買の順になっているのはなんででしょうかね。語呂じゃなくて意味を考え見ましょう。

考えている

うーん,保存は,不動産の価値を維持ずる点で全員にとってメリットになる。工事は,新築工事や増築工事などが考えらますが,不動産の成立の前提になることや不動産の交換価値を高める点で,保護の必要性が高いと思います。

大丈夫ですね。具体的にイメージできていれば問題ないです。
次に,抵当権・質権と不動産の先取特権の関係はどうでしょうか。不動産の売買と同じ取扱いになりますね。
ここは,どう考えましょう。

東花子さん

そうですね,質権も抵当権も不動産売買の先取特権も,交換価値を内容として把握しているので,優劣をつける必要はないように思いました。

おお,いいですね。内容に着目して考えるとつじつまがあります。あと,不動産の先取特権は登記で公示があるので,抵当権者や質権者の取引の安全も害されない点も大きいでしょうね。
今回,条文をたくさん上げましたので,大変なように見えましたが,結局,具体的に考えてみると良くわかります。ぜひ,細かいところは,イメージすることを心がけましょう。

では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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