予備試験29年4問(民法)肢ウを検討する 第4回 共有者の不実登記の抹消請求の可否

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年4問(民法)肢ウを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第4問【司法試験29年10問】(民法)肢「ウ.A,B及びCの3名が共同相続し,その遺産分割の前に,法定相続分に応じた持分の割合により相続登記がされた土地につき,CからDに不実の持分権移転登記がされた場合,Aは,Dに対し,当該持分権移転登記の抹消登記手続を求めることができる。」を検討していきましょう。

この肢は,正しいですか,間違ってますか。

東花子さん

間違ってますね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

考えている

判例があるようです(最判平15.7.11)。

そうですか,例によって意味を確認する必要がありますね。

東花子さん

まあ,そうですね。

どの辺りが問題なのでしょう。

考えている

判例は,共有持分権に基づいて抹消登記手続ができるかを問題としてます。

なるほど,いいですね。条文も確認してみましょう。

(共有物の使用)
民法第249条
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

この条文を見てどう思いますか。

東花子さん

そうですね。Aは持分の登記ができてます。不実の登記があっても使用に問題ないように思うのですが・・・。

なるほど,その説明だと,持分権に基づいて妨害排除できないという結論になってしまいます。
妨害排除できないと問題があるので,判例は,わざわざ持分権に基づいて妨害排除を認めているように思うのですが,どうでしょうか。

考えている

うーん,どうでしょう。

そうですね。不実の登記があると,他の持分権に影響ができることを説明したいです。例えば,不動産の全体の処分に影響がでませんか。

東花子さん

なるほど,全体の処分には,共有者全員の同意(251条)が必要です。誰と共有しているかは,共有物の使用に影響がでそうですね。

いいですね。妨害排除請求を認める以上,共有持分権に何かしらの妨害があると説明しなければいけません。
そのためには,持分権の内容から説明しないと,いけません。

東花子さん

はい,そうしないと何となくになってしまいます。条文から導くことは大事だと思いました。

あと,理論的には,共有権における保存行為(252条ただし書)による構成も考えられます。(大判大7.4.19)

(共有物の管理)
民法第252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

東花子さん

確かに,不実の登記は無権利者の登記ですので,保存行為として抹消登記手続ができるともいえそうですね。

はい,論理的に筋が通ることが大事なので,どちらでも大丈夫だと思います。
ただ,共有持分権と共有権の違いは区別しないといけませんね。

東花子さん

そうですね。個々の所有権としての共有持分権と,共有物全体としての共有権とは位置づけが違うことは押さえたいです。

はい,どちらで説明するにせよ,そこの違いは,はっきり意識しましょう。では,今日はここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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