こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年2問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第2問【司法試験29年3問】(民法)肢「エ.Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされ,Aが死亡したものとみなされた後に,Aの子であるBがA所有の甲土地を遺産分割により取得した。その後,Bは,Cに甲土地を売却したが,その売却後にAの生存が判明し,Aの失踪宣告は取り消された。その売買契約の時点で,Aの生存についてBが善意であっても,Cが悪意であるときは,Cは,甲土地の所有権を取得することができない。」を検討していきましょう。
この肢は,正しいですか,間違ってますか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
なるほど,条文を確認して見ましょう。
(失踪の宣告の取消し)
民法第32条
1.失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2.(略)
あれ,32条1項後段では,「失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない」とありますね。
条文を素直に読めば,Bは善意なので,「失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為」にあたるのではないでしょうか。
したがって,失踪宣告は,取引に影響を及ぼさないので,Cは,甲土地の所有権を取得することができるということになりませんか。
いえいえ,判例で,「善意でした行為」は,「双方」善意であることを要するとしております。(大判昭13.2.7)
いやいや,そこじゃなくて,それだと・・・。
分かっているじゃないですか,頼みますよ。
では,なぜ,「善意でした行為」について,「双方」善意であることを要しているのでしょうかね。
そうですか,わかりました。しっかり,考えてもらいましょう。ヒントは,利益状況を具体的にイメージしてもらいたいです。 その上で,考えて見ると良いでしょう。
では,今日はこれで終わりします。この続きは,また明日,お楽しみに。