こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験27年11問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。では,早速,検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。
AがA所有の宝石を代金100万円でBに売却した際,その宝石の代金債務と宝石の引渡債務の履行期を同ーとすることがAB間で合意された。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.A及びBが各自の債務を履行した後に,第三者Cの詐欺を理由としてBがAB間の売買契約を取り消した場合,AのBに対する宝石代金の返還債務とBのAに対する宝石の返還債務とは,同時履行の関係にある。
- イ.AがBに対する宝石の代金債権を第三者Dに譲渡してBにその旨を通知した後,Bが遅滞なく異議を述べなかった場合,Bは,Dからの宝石代金の支払請求に対し,同時履行の抗弁権を行使することができない。
- ウ.AがBに対して別の貸金債務を負っている場合,BのAに対する宝石の代金債務についてその履行期が到来しても,Aは,AのBに対する宝石の引渡債務について弁済又はその提供をしていないときは,AのBに対する宝石の代金債権とBのAに対する別の貸金債権とを対当額で相殺することができない。
- エ.AがBに対して宝石代金の支払を求める訴えを提起した場合,Bの同時履行の抗弁が認められるときは,Aの請求は全部棄却される。
- オ.BがAに対して宝石の引渡債務の履行遅滞に基づく損害賠償を求める訴えを提起した場合,Bが宝石の代金債務の弁済の提供をしていないときは,Bの請求は全部棄却される。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
早速,いきましょう。まず,肢「ア.A及びBが各自の債務を履行した後に,第三者Cの詐欺を理由としてBがAB間の売買契約を取り消した場合,AのBに対する宝石代金の返還債務とBのAに対する宝石の返還債務とは,同時履行の関係にある。」からいきます。この肢は,どうでしょうか。
そうですね。巻き戻しになるので,公平の見地から同時履行の関係となります。この肢は,過去問にもでているので,すぐに,正解を出したいですね。もし復習したい方は,こちらをご確認ください。
予備試験27年11問肢ア 第2回
そうですね。次に,検討する肢は,なんですか。
そうですね。「ウ」と「エ」が2つずつ入ってますから。今回は,肢「エ.AがBに対して宝石代金の支払を求める訴えを提起した場合,Bの同時履行の抗弁が認められるときは,Aの請求は全部棄却される。」でいきますか。
はい,時間の関係を考えると文書の短さは,かなりのポイントになると思います。肢を切る感じは,いつも同じですが,この感覚を繰り返しやることが大事です。正誤は,どうでしょうか。
はい,ここも,過去問ででてくる話なので即,判断しないといけません。万が一,復習したい方はこちらをご参照ください。
予備試験27年11問肢エ 第5回
そうですね。「5.ウ オ」は,背理消去法で切ることができます。背理消去法について,確認したい方は,こちらをご参照ください。
背理消去法(平成27年第6問を例にして)第2回
そうすると,次は,「イ」ですね。
そうですね「イ」の方が,文書が短いですからね。基本的には,文が短いものをベースに先に読んでいくと良いと思います。それで,肢「イ.AがBに対する宝石の代金債権を第三者Dに譲渡してBにその旨を通知した後,Bが遅滞なく異議を述べなかった場合,Bは,Dからの宝石代金の支払請求に対し,同時履行の抗弁権を行使することができない。」はどうでしょうか。
そうですね。債権譲渡の場合は,人的抗弁が切断されないのが原則ですね。債権譲渡は,債務者にとって偶然の事情ですから。
いいですね。条文を知っているとかえって混乱しそうですが,大丈夫ですね。
詳細を復習したい場合は,こちらをご確認ください。
予備試験27年11問肢イ 第3回
はい,効率よく解くには,肢を見て都度,切っていくことが大事です。
後は,肢1つ1つについて,早く正確に判断できるように,理解に努めましょう。
では,今日は,これで終わります。この続きは,また明日,お楽しみに。
なお,検討していない肢は,こちらで,ご確認ください。