こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年6問(民法)肢1を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験28年6問(民法)【司法試験28年11問(民法)】肢「1.同一不動産上の先取特権,質権及び抵当権の優先権の順位は,当該各担保物権の登記の前後によって決まる。」を検討していきます。
この肢は,どうですか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
そうですね。確認してきましょう。
(不動産の先取特権)
民法第325条
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。
一 不動産の保存
二 不動産の工事
三 不動産の売買
(不動産の先取特権の順位)
民法第331条
同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。
(不動産保存の先取特権の登記) 民法第337条 略
(不動産工事の先取特権の登記) 民法第338条 略
(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
民法第339条
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
(不動産売買の先取特権の登記) 民法第340条 略
(抵当権の規定の準用)
民法第361条 不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。
いろいろ条文があって大変です。結局,不動産の先取特権の順番は,保存,工事,売買の順番ですね(325条,331条)。
そうですね。語呂はあまり進めませんが,その位はいいでしょう。質権と抵当権の場合は,不動産売買と同じ順位になります。(337条,338条,339条,361条)。同順位の関係は,登記の前後ですね(177条)。
はい,結論は,それで良いのですが,相変わらず覚えてられませんね。
方向性は,東さんも良くわかっていると思いますので,早速,一緒に考えてみましょう。まず,先取特権の中で,保存・工事・売買について関係性を見る。その後に,抵当権・質権と先取特権の関係を見たいと思います。
良くわかってますね。では,保存・工事・売買の順になっているのはなんででしょうかね。語呂じゃなくて意味を考え見ましょう。
大丈夫ですね。具体的にイメージできていれば問題ないです。
次に,抵当権・質権と不動産の先取特権の関係はどうでしょうか。不動産の売買と同じ取扱いになりますね。
ここは,どう考えましょう。
おお,いいですね。内容に着目して考えるとつじつまがあります。あと,不動産の先取特権は登記で公示があるので,抵当権者や質権者の取引の安全も害されない点も大きいでしょうね。
今回,条文をたくさん上げましたので,大変なように見えましたが,結局,具体的に考えてみると良くわかります。ぜひ,細かいところは,イメージすることを心がけましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。