刑法における因果関係を考える その2

前回までのあらすじ:

平成29年度第1問肢1「甲が、Vの胸部、腹部及び腰部を殴打したり足蹴りしたりする暴行を加えたところ、それに絶えかねたVは、その場から逃走した際、逃げることに必死の余り、誤って路上に転倒し、縁石に頭部を打ち付けたことによって、くも膜下出血により死亡した。この場合、甲の暴行とVの死亡との間には、因果関係がある。」
について花子さんはスク東先生と検討することになりました。

結論は、あっているのですが、やっぱりポイントがわかっていないようでした。
そこをスク東先生に指摘され、改めて考えることになったのでした。はじまり、はじまり。

東花子さん

うーん。

スク東先生:こんにちは、東さん。あれ、なにか難しい顔されてますね。

考えている

いやー、いろいろ考えたのですが問題点が、よくわからなくって。

スク東先生:
そうでしたか。いきなりは、わかりませんね。それでは、一緒に確認していきましょう。
前回、「甲が、暴行を加えたことが原因で、Vさんが死んでいるから」とおっしゃっていました。
本当にそうでしょうか?直接の原因は、違うように思うのですが。

東:うーん、そうか。本件では、Vが、誤って路上に転倒し、縁石に頭部を打ち付けたことによって、くも膜下出血により死亡してます。

スク東先生:おお、いいですね。甲は、暴行していますが、V自身の行為が直接の原因なんです。

東:確かに、胸部、腹部及び腰部の殴打では、頭部のくも膜下出血が起きません。なるほどー。

スク東先生:そうなんですよ。したがって、甲の行為とVの死亡の間には因果関係が認められないのではという疑問が生まれます。

東:やっと、先生の質問した意味がわかりました。

スク東先生:よかった。結論だけ、抑えても全く題意答えてないですね。

東:はい、問題意識を持つのが大事なのは、これまでの民法と全く同じです。ただ、結局、甲にVの死亡についての因果関係を認めてますね。今度は、逆に違和感がでてきました。

スク東先生:いいですね。そうやって、疑問点を出したうえで、論理的に詰めるプロセスが重要なんですよ。ただ、よくよく見ると、直接の原因を作ったVを処罰するということできません。実際に亡くなっているわけですから。

東:なるほど、そりゃそうだ。だから、なんとしても、甲を処罰する必要性がでてくる。

スク東先生:そうそう、そういう利益状況に立つわけです。ただ、甲からみればVがドジって勝手にこけただけ何だから、なんで私が責任を負わないといけないの?という理屈が平たい話ででるわけです。

東:そうか、そこを調整するのが、いわゆる「危険の現実化」という考え方なんですね。

スク東先生:おお、よく勉強しているじゃないですか。実際、いろいろ説があるでしょうが、その考え方をしっかり押さえたいですね。それで、どんな考え方で因果関係を検討するか分かってますか。

花子さん

いやー、言葉だけ、なんとくなく知っていて、意味わかってないです。

スク東先生:なるほど、やっぱりね。じゃあ、少し長くなってきましたので、この辺で終わりにして、来週までに、考え方を整理してみてください。

東花子さん

わかりました。頑張ってみます。

スク東先生:いい返事です。ぜひ、やってみください。てな、わけで本日は、このあたりにします。この続きはまた、来週、お楽しみに!!

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