司法試験29年36問(民法)を検討する 

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平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)

まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
本日から,司法試験平成29年第36問民法を検討していきます。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。調子はどうですか。

考えている

まあ,普通ですね。

そうですか。とにかく,コツコツやっていきましょう。
では,問題はこちら

司法試験29年36問(民法)
団体等に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。

1.組合の債権者は,各組合員に対して,その権利を行使することができない。
2.組合員の債権者は,組合財産に対して,その権利を行使することができる。
3.一般社団法人の債権者は,各社員に対して,その権利を行使することができる。
4.一般社団法人の社員の債権者は,法人の財産に対して,その権利を行使することができない。
5.権利能力なき社団の債権者は,各構成員に対して,その権利を行使することができる。

東花子さん

団体等がテーマですか。わかりました。

では,早速,検討しようと思ったのですが,時間がかかりそうなので,ここまでといたします。
それでは,また,明日。お楽しみに。



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司法試験29年34問(民法)を検討する 第9回 具体的相続分の計算

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年34問(民法)を検討した結果,相続財産は6800万円(=3000+2100+1000+1000-300)となりました。
これを踏まえて,具体的に計算を実施していきます。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。それでは,始めていきましょう。問題文のポイントと関連条文を載せます。

司法試験29年34問(民法)

次の【事例】において,Aを被相続人とする遺産分割におけるB,C及びDの具体的相続分の額として,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
なお,遺産分割の対象となる財産並びに贈与及び遺贈の目的財産の価額は相続開始時の価額を示しており,その後に価額の変動はないものとする。
【事例】
⑴ 相続人Aの相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDとする。
⑵ 遺産分割の対象となる財産
3000万円の金銭
⑶ 時系列
① Aは,平成21年2月21日,Bに対し,Bの生計の資本としてA所有の区分所有建物(価額2100万円)を贈与した。
② Aは,平成24年4月24日,Cに対し,Cの生計の資本として1000万円を贈与した。
③ Aは,平成25年5月20日,Cの子であるEに対し,Eの生計の資本として1000万円を贈与した。
④ Aは,平成25年10月20日,Dに対し,A所有の土地(価額1000万円)を遺贈する旨の遺言を作成した。
⑤ Aは,平成26年2月26日に死亡した。
⑥ 家庭裁判所は,寄与分を定める処分の審判において,Cに300万円の寄与分があるとの判断を示し,この審判は平成27年3月21日に確定した。
1.B:1250万円 C:1075万円 D:675万円
2.B:1300万円 C:1000万円 D:700万円
3.B:1400万円 C: 900万円 D:700万円
4.B:1750万円 C: 325万円 D:925万円
5.B:1800万円 C: 250万円 D:950万円

(法定相続分)
民法第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
1 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
2 (略)
3 (略)
4 (略)

相続財産は,6800万円,相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDです。
法定相続分は,B3400万円,C,Dそれぞれ1700万円ですね。

考えている

はい,900条です。

法定相続分の割合に関しては,さすがに政策的なものということにしておきましょう。

東花子さん

わかりました。この位は,大丈夫だと思います。

そうすると,具体額はまず,Bに関してどうなるでしょうか。

東花子さん

①の事由で予め2100万円分をもらっているので,それを引いた額,1300万円(3400-2100)です。

いいですね。これで,2と正解が確定します。

東花子さん

なるほど,早く正解が確定するのは,解答時間を短くしてくれているんですね。

そうですね。その辺りは配慮しているのだと思います。制限時間内に処理ないといけませんからね。
実践では,簡単なところから解答することが大事です。まあ,C,Dも勉強のために確認してみましょう。
その場合もDからいきましょうかね。

考えている

はい,Dの方がCよりも計算が楽そうだからですね。結局,700万円(=1700ー1000)になります。

いいですね。1700万円のうち1000万円は遺贈でもらっています。これを引いた価格が実際にもらえる価格ですね。
この勢いで,最後Cも行きましょう。

東花子さん

1000万(1700-1000+300)です。

そうですね。法定相続分1700万円のうち,1000万円については,予めもらっているから控除する。あと,300万円については,寄与分としてCの貢献によるものだから実質Cのものとしてもらえます。

花子さん

やったぁ。これで確認できましたね。

はい,いろいろ面倒な計算がありましたが,コツコツ整理すれば解答することができます。ぜひ,こんな感じで頑張ってもらえればと思います。それでは,ちょうど時間となりましたので終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年34問(民法)を検討する 第8回 具体的相続分の計算(寄与分)その2

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年34問(民法)を検討することになりました。その際,相続財産を確定することになりました。①~⑥を考慮すると最終的に,6800万円(=3000+2100+1000+1000-300)になるようです。
結論はそうなのですが,なぜ寄与分が控除されるのか,条文の意味を確認することになりました。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。それでは,始めていきましょう。問題文のポイントと関連条文を載せます。

司法試験29年34問(民法)

次の【事例】において,Aを被相続人とする遺産分割におけるB,C及びDの具体的相続分の額として,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
なお,遺産分割の対象となる財産並びに贈与及び遺贈の目的財産の価額は相続開始時の価額を示しており,その後に価額の変動はないものとする。
【事例】
⑴ 相続人Aの相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDとする。
⑵ 遺産分割の対象となる財産
3000万円の金銭
⑶ 時系列
①(終了)詳細 第2回 第3回
②(終了)詳細 第2回 第3回
③(終了)詳細 第4回
④(終了)詳細 第5回 第6回
⑤ Aは,平成26年2月26日に死亡した。
⑥ 家庭裁判所は,寄与分を定める処分の審判において,Cに300万円の寄与分があるとの判断を示し,この審判は平成27年3月21日に確定した。

(寄与分)
第904条の2
1.共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2.前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3.(略)
4.(略)

それで,寄与分がなぜ,相続財産から控除されるか考えてこられましたか。

考えている

そうですね,一応。結局,寄与分が認められる理由にポイントがあるように思いました。

なるほど,いいですね。どういうことでしょうか。

東花子さん

寄与分は,「被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者」に認められます。ということは,その者がいなければ,共有財産に残っていなかったと考られます。

そうですね。寄与分は,「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護」に関する働きが大事になります。そう考えると,この分について何もやっていない共有者に権利を認めることは,かえって相続人間の公平を欠くわけです。

考えている

はい,だから寄与分については,控除されます。

はい,これで大丈夫でしょう。大事なことは,制度の目的を考えることです。
ただ覚えても意味がわかっていないので,間違ってしまいます。その類の間違いは,非常にまずいです。

東花子さん

なるほど,姿勢の問題ですからね。

そういうこと。表面的にやっても,知識が積み上がらないことになります。ぜひ,気を付けてもらえればと思います。

考えている

そうですね。大変良くわかりました。

はい,これで相続財産の計算は,6800万円で終わりました。あとは,実際の相続額を計算することになりますが,丁度時間となりましたで,この辺りで今日は終わりしましょう。
それでは,この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年34問(民法)を検討する 第7回 具体的相続分の計算(寄与分)その1

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<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年34問(民法)を検討することになりました。その際,相続財産を確定することになりました。
①~④の事情は,キチンと考慮できました。いよいよ最後⑥の事情について考えていきましょう。
なお,①~④の考慮した相続財産は,7100万です。(3000+2100+1000+1000)

では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。それでは,始めていきましょう。問題文のポイントと関連条文を載せますね。

司法試験29年34問(民法)

次の【事例】において,Aを被相続人とする遺産分割におけるB,C及びDの具体的相続分の額として,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
なお,遺産分割の対象となる財産並びに贈与及び遺贈の目的財産の価額は相続開始時の価額を示しており,その後に価額の変動はないものとする。
【事例】
⑴ 相続人Aの相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDとする。
⑵ 遺産分割の対象となる財産
3000万円の金銭
⑶ 時系列
①(終了)詳細 第2回 第3回
②(終了)詳細 第2回 第3回
③(終了)詳細 第4回
④(終了)詳細 第5回 第6回
⑤ Aは,平成26年2月26日に死亡した。
⑥ 家庭裁判所は,寄与分を定める処分の審判において,Cに300万円の寄与分があるとの判断を示し,この審判は平成27年3月21日に確定した。

(寄与分)
第904条の2
1.共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2.前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3.(略)
4.(略)

⑥の事情については,どのように相続財産に影響するでしょうか。

考えている

寄与分については,控除することになりますね。(904条の2)

そうですね。その結果,相続財産はどうなりますか。

東花子さん

はい,6800万円(=7100-300)になります。

その通り。ようやく①~⑥の事情を考慮した相続財産が算出できました。

考えている

よかった,よかった。

ただ,一つ質問があります。なんで,寄与分に関しては,相続財産から控除するのでしょう。

花子さん

えっ,なんでだろう。この辺りは苦手で・・・。条文があるじゃやっぱりダメですよね。

ええ,そうですね。本番は,条文がみれないでしょ。そうすると,結局うろ覚えになって,寄与分を間違って加算したり,特別受益を控除したりするんですよ。

東花子さん

なるほど,そうならないためには,やっぱり考える必要性があるんですね。ちょっと,時間をもらっていいですか。

そうですね。ぜひ,やってもらいましょう。それでは,今日も時間となりましたので,ここで終わりします。
この続きは,また明日お楽しみに。



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司法試験29年34問(民法)を検討する 第6回 具体的相続分の計算(遺贈)その2

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<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年34問(民法)を検討することになりました。その際,相続財産を確定することになりました。
その結果,相続財産に加算されることにつき,贈与と遺贈で違いがでることを確認しました。
なぜかを考えることになったのですが,うまく花子さんは整理できたのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。それでは,始めていきましょう。問題文のポイントと関連条文を載せますね。

司法試験29年34問(民法)

次の【事例】において,Aを被相続人とする遺産分割におけるB,C及びDの具体的相続分の額として,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
なお,遺産分割の対象となる財産並びに贈与及び遺贈の目的財産の価額は相続開始時の価額を示しており,その後に価額の変動はないものとする。
【事例】
⑴ 相続人Aの相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDとする。
⑵ 遺産分割の対象となる財産
3000万円の金銭
⑶ 時系列
①(終了)詳細 第2回 第3回
②(終了)詳細 第2回 第3回
③(終了)詳細 第4回
④ Aは,平成25年10月20日,Dに対し,A所有の土地(価額1000万円)を遺贈する旨の遺言を作成した。
⑤ Aは,平成26年2月26日に死亡した。
⑥(略)

(特別受益者の相続分)
民法第903条
1.共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2.(略)
3.(略)

結局,贈与と遺贈では,相続財産との関係で取扱いが違うことを確認しました。(903条1項)

考えている

はい,贈与は加算される,遺贈は加算されませんね。

その通り!ただ,そんなことやみくもに覚えても・・・。

東花子さん

そうですね,すぐに忘れるという話でした。

はい,ですので,やはり理由を考えないとというのが昨日の問いでした。
それで,うまく整理できましたか。

東花子さん

えっと,良くわかりませんでした。

なるほど,分かりました。そうでしたか,それでは一緒に考えていきましょう。
遺贈の効力の発生時を足掛かりにすれば良いという話をしましたが,そこは確認しましたか。

考えている

はい,確か,原則死亡時だったと思います。

いいですね。条文も確認しましょう。

(遺言の効力の発生時期)
第985条
1.遺言は、 遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2.遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

これからすると,相続開始時(882条)に,遺贈は効力が原則,発生することになります。

東花子さん

うーん,そうですね。

これで,分かりませんか。

花子さん

いやー,ピンときません。

なるほど,それはいけませんね。結局,今,共有となるAの相続財産の計算をしているわけですよ。
これって,相続開始時のAの財産ですよね。

東花子さん

そうか,分かりました。遺贈の場合,効力発生時が相続開始なので,わざわざ相続財産に戻す必要がないんですね。

その通り!キチンとここを理解するには,時系列を考える必要があります。
贈与は相続開始前に行われたものが基本的に対象です。

考えている

確かに,今回の例も(①②)でもそうです。

はい,ですので贈与がなかったら死亡時に相続財産にあったいえるので,計算上戻せるわけです。

東花子さん

なるほど,わかりました。やはり,取引の場面をイメージすることがとても大事なんですね。

そういうこと。やみくもに結論を押さえても,すぐに忘れてしまいます。条文の意味を理解するには,実際に適用される場面を想定するといいです。

東花子さん

ありがとうございます。ぜひ,そうしたいと思います。

はい,頑張ってください。それでは,続いて⑥を検討しようと思ったのですが,丁度キリがいいので,この辺りで終わりにしましょう。それでは,この続きは,また明日お楽しみに。



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