予備試験27年15問(民法)肢オを検討する 第6回 民法989条1項

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年15問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第15問【司法試験27年33問】(民法)肢「オ.遺贈の承認及び放棄は,撤回することができない。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文があったような。

なるほど,合ってますね。条文を確認して見ましょう。

(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)

民法第989条
1.遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2.第919条第2項及び第3項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。

ただ,本番では条文を確認できないので,意味を押えていきたいです,どうでしょうか。

東花子さん

うーん,単純に撤回を認めると,問題があるからではないでしょうか。

そうですね。抽象的にはあっているんですが,全く具体的ではないですね。どういった意味で,問題が生じるのでしょうか。

東花子さん

どうでしょうかね。よく分かってません。

そうですか,少しごまかそうとしましたね。しっかり,押えたいです。
まず,遺贈を承認すると,目的物が,受遺者のところにあるということが確定します,一方で,放棄すると目的物が,受遺者のところにないことが確定しますね。

東花子さん

そうですね,それは分かります。

そうすると,遺贈が承認されれば,相続財産に目的物がない,放棄されれば,相続財産に目的物があるということになりませんか。

東花子さん

確かに,そうなりますね,気づきませんでした。

そうすると,相続財産には,さまざまな利害関係人が存在しますので,撤回を認めると,これらの者の法律関係が複雑になり問題だと思います。

花子さん

なるほど,相続財産に関して,もちろん手続も進むはずなので,受遺者の撤回を認めると,これらの手続に混乱が生じますね。

はい,ですので,民法第989条は,撤回を制限しているのだと思います。
親族相続の問題は,細かいように思われますが,イメージができれば,比較的解きやすいです。ぜひ,具体的に考えて勉強して見てください。

では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験27年15問(民法)肢エを検討する 第5回 民法992条

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<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年15問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第15問【司法試験27年33問】(民法)肢「エ.遺言者が遺言において別段の意思を表示していない限り,受遺者は,遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文があったような。

なるほど,合ってますね。条文を確認して見ましょう。

(受遺者による果実の取得)
民法第992条
受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

ただ,本番では条文を確認できないので,意味を押えていきたいです,どうでしょうか。

花子さん

うーん,なんででしょう。いつも,果実のところは,ごちゃごちゃして,よく分かっていません。

分かってないのに,何で合っているんですか。それは,かなり危険ですね。果実については,公平の見地から考えると良いですよ。
この場合は,受遺者と他の利害関係人の間の公平の問題ですね。

東花子さん

なるほど,遺贈がなければ,その財産は,相続財産に含まれることになりますからね。

そうです。そして,遺贈で,一番に考慮すべきは,被相続人(遺言者)の意思です。もともと,相続財産は,被相続人の者ですから。
この点については,どう思いますか。

東花子さん

うーん,確かに,遺贈の目的物と果実は別とも思えますが,分ける意思はないように思います。法律関係も複雑になってしまいますので,わざわざそんな複雑な意思表示を通常しないと思います。

そうですね。ですので,法も被相続人(遺言者)の意思を想定して,民法第992条本文で「遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する」となっていますよ。

花子さん

そうか,それであれば,民法第992条ただし書で「遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う」としている点も納得できますね。

はい,ここでは,被相続人の意思を尊重して考えることが,受遺者と他の利害関係人の間の公平に繋がるとイメージしておきましょう。

まあ,他の利害関係人から見ると,遺贈の目的物の帰属について,権利が確定していない分の果実まで,なぜ,受遺者が取得できるかと文句をいいたくなるところでしょう。
しかし,被相続人(遺言者)の意思が,受遺者に対して特に向けられている以上,その意思を尊重すべきと押えましょう。

では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験27年15問(民法)肢ウを検討する 第4回 民法994条1項

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花子さんは,予備試験27年15問(民法)肢ウを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第15問【司法試験27年33問】(民法)肢「ウ.受遺者が遺言者より先に死亡した場合は,遺言者が遺言において別段の意思を表示していない限り,受遺者の相続人が遺贈を受ける権利を相続する。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文があったような。

なるほど,合ってますね。条文を確認して見ましょう。

(受遺者の死亡による遺贈の失効)
民法第994条
1.遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2.停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

確かに,条文にあるとおり「受遺者が死亡したときは,その効力を生じない」ので,相続はされませんね。
ただ,本番では条文を確認できないので,意味を押えていきたいです,どうでしょうか。

東花子さん

そうですね。受遺者が死亡した時点で,相続させるのは,遺贈者の合理的な意思に反するからでしょうか。

いいですね,もう少し具体的に説明してもらえますか。

考えている

うーん,遺贈者は,わざわざ遺贈するくらいなので,受遺者に対して特別な思いがあることが想定されます。その思いというのは,社会的関わりを通して作られると思います。

なるほど,続けてください。

東花子さん

はい,そうすると,遺贈者は,受遺者の相続人とは,特別な思いを持つほどの社会的関わり合いは通常ありません。したがって,そのような者に,遺贈する意思はないと考えるが自然だと思いました。

そうですね。そのことは,自分の経験から考えて見ても,分かりますよね。いま,東さんとは社会的関わり合いをもってますが,東さんの相続人とは関わり合いを持ってませんから。

花子さん

そうですね。

そうしたら,本人が亡くなったら,あってもない人に,特別な感情をもたないのが通常です。だから,その意思を尊重して効力を失うことにしてますね。遺贈者が撤回を忘れたら効力が発生するのは,本人の意思に反してしまいますから。

東花子さん

確かに,その通りですね。あと,スク東先生,例外的に相続人にも遺贈したい場合は,肢の指摘の通り,別段の意思をしておけば良いことも大きいと思いました。

おお,良く考えてますね。例外も認めておけば,遺贈者の手続の手間も軽減できそうです。後は,必要であれば手続をやり直せということになります。
このように,条文も社会的事実に基づいて設計されております。ですので,イメージができれば,自分の常識に合致するので,覚えなくても大丈夫です。この感覚は,勉強する上で大事だと思います。ぜひ取り入れて見てください。

では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験27年15問(民法)肢イを検討する 第3回 包括遺贈(民法990条)

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花子さんは,予備試験27年15問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第15問【司法試験27年33問】(民法)肢「イ.包括遺贈を受けた者は,相続財産に属する債務を承継する。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

確か,条文があったような。

なるほど,合ってますね。条文を確認して見ましょう。

(包括受遺者の権利義務)
民法第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

確かに,条文があります。「相続人と同一の権利義務を有する」とありますので,相続人に適用される896条と同じになると読めます。

(相続の一般的効力)
第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

花子さん

はい,だから債務も承継するのだと思いました。

そうですね。結論としては,その通りだと思います。私も概ねそれで良いと思うのですが,ちょっとだけ,気になるところもありまして。

東花子さん

なんでしょうか,よく分かりません。

いや,遺贈は,遺言で財産を譲るということです。
包括遺贈で債務をお譲りいただいても,包括受贈者は迷惑な気がするのですが・・・。

考えている

まあ,確かに,そうです。

はい,でも,やはり債務も承継してしまいます。ここは,勘違いしそうなので気を付けたいです。

東花子さん

確かに,そうですね。どうすれば,押えられるでしょうか。

そうですね,こういう時は,具体例も押えると理解しやすいですよ。
実際の包括遺贈の具体例としては,内縁の者に包括的に財産を渡したいような場合などが考えられます。

東花子さん

なるほど,確かに内縁の者は,戸籍に載っていないので,相続人でないです。

はい,そこで,遺言者としては,内縁の者に,包括的に遺贈したいと考える場合もありえます。もちろん,特定遺贈でも良いのですが。

花子さん

そうすると,相続人と同じ地位に立って割合的に債務を負うというイメージも何となくわかります。割合的にもらっておいて,債務は承継しないのは公平でないですから。

そのイメージで大丈夫です。
まあ,このような場合は債務を包括受遺者が背負っても,プラスの財産の方が多いと思いますので,比較的,受遺者が困らないと思います。しかし,制度上,よく分からない人にも包括遺贈はできてしまいます。ですので,よく分からない包括遺贈を受けた時は負債も負ってしまうので気を付けましょうね。

花子さん

確かに,遺贈だとかいって喜んでいたら,とんだ災難を受ける恐れがありますね。でも,気をつけろって,どうやって・・・。

はい,危険な時は,包括遺贈を放棄(990条,915条1項)もできますので,安心してください。ただし,3か月以内ですが・・・。

考えている

なるほど・・・って,短い。

そうですよね。だから,制度を知らないと法律的なトラブルが発生する要素が満載な問いだと思います。ぜひ,注意深く押えましょう。

このように,親族相続は,細かいようですが,イメージすると理解が進みます。ですので,ぜひ考えながら勉強してください。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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予備試験27年15問(民法)肢アを検討する 第2回 遺贈の相手方

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東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第15問【司法試験27年33問】(民法)肢「ア.遺贈は,相続人に対してすることができない。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

誤ってます。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

単純に,本人の意思を尊重すべきなので,相手方を第三者に限定する必要がないと思いました。

なるほど,それは,一定の説明になっています。
ただ,せっかく,相続人に遺贈ができるかの問いです。ですので,むしろ相続人への遺贈を認める必要性を,積極的に考えていただきたいところです。

東花子さん

なるほど,相続人に対しての権利義務の承継を相続分に限るとすると,むしろ硬直的で問題だと思います。

そうですね。被相続人と相続人の関係は,生前さまざまだと思います。ですので,一律に相続分で処理をすることは,かえって被相続人の意思(遺言者本人の意思)に反する恐れがありますね。

東花子さん

はい,ですので,むしろ,積極的に被相続人(遺言者本人)の意思が図れるように,相続人に対しても遺贈を認める必要があります。

いいですね。だから,できると考えられますね。その上で,相続財産は,被相続人の財産であり財産処分の自由があるので,その相手方を第三者に限定する必要はないという話になってきます。

花子さん

確かに,必要性から,考えると深く納得できると思いました。ありがとうございました。

はい,この肢は,さくっと,こんなところで良いでしょう。

親族相続は,細かいようですがイメージすると理解が進むので,ぜひ頑張ってみてください。では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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