刑法・司法試験令和4年第13問(予備試験令和4年第11問)肢アを考えてみよう その1

【前回のあらすじ】

今日から,刑法司法令和4年13問(予備試験令和4年第11問)を検討することになりました。
まずは,肢アからです。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

はい,なんとか。以前に比べると,ずいぶん過ごしやすなりました。

スク東先生:そうですね。本日は,秋分の日です。ようやく,夏の暑さもひと段落ということだと思います。

では早速,問題の検討を始めていきましょう。

刑法司法令和4年13問(予備試験令和4年第11問)肢アです。

「ア.甲は、Aから金銭を借り入れるに際し、借入金を返済する意思も能力もないのに、知人Bに対し、「借入金は必ず自分で返済する。Bには迷惑をかけないので、保証人になってほしい。」とうそを言い、その旨Bを誤信させ、Aに差し入れる予定の甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その保証人欄に署名押印させた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。」

正解はどうでしょう。

誤りです。

スク東先生:そうですね。なんででしょう。

うーん。

スク東先生:あのー,それでなんで正解しているでしょうか。

はい,しっかりわかって上で正解しないといけないとは思うのですが・・・,つい。

スク東先生:そうですか。まあ,文書偽造罪は,難しいですからね。それでは,一緒に考えていきましょう。いきなりポイントに入りますが,159条1項,有印私文書偽造罪の「偽造」ってどういう行為でしたっけ。

えっと,確か作成者が名義を偽ることだと思います。文書偽造罪の保護法益は,文書に対する社会の信用ですが,その信用は主に名義に及んでいるので。

スク東先生:おおいいですね。さきほど,悩んでいた人の解答とは思えない反応が返ってきました。そこがわかれば,この問いが聞きたいことがなんとなく,わかってきますよ。

ふーん,そうか。一見,甲に有印私文書偽造罪が成立するじゃないかという疑問を出すには,甲が,知人Bの名義を偽っているといえばいいわけですね。

スク東先生:そうそう,少し近いづいてきました。問題文をよーく見れば,そのことがいえそうな記載がありますよ。

なるほど,甲は,うそを言い、その旨Bを誤信させ、Aに差し入れる予定の甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その保証人欄に署名押印させてますね。この辺りかな・・・。

スク東先生:はい,その辺りがポイントですね。そこで,バチっと言ってほしいな。

えっ,なんだろう。

スク東先生:なるほど,惜しい。結局,Bが保証人欄に署名押印しておりますので,名義はBです。しかし,Bは錯誤に陥ってます。そこで,知人Bは,いわば甲の道具で,Bに署名押印させた甲が作成者なんじゃないかという話ですよ。

確かに,そのように考えれば,甲が知人Bの名義を偽っていると言えます。だから,甲に有印私文書偽造罪が成立するのではないかという疑問が生まれるわけですね。ようやく,見えてきました。

スク東先生:はい,ただ,実際は,甲に有印私文書偽造罪が成立しないが答えになります。なんでしょう。

確かにそうですね。うーん,わからなくなってきました。

スク東先生:なるほど,まあここは,少し考えてもらいたいので時間をとりましょう。今日は,肢アの問題意識を確認しました。「偽造」の定義や,問題文の事情を拾いましたね,この辺りは論文の訓練にもなりますので,しっかり押さえるようにしてください。それでは,今日も時間となりましたので,この辺りで終わりします。この続きは,また来週お楽しみに。

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9月25日(日)16:00~17:30(詳細はこちら
内容:予備試験令和4年商法

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