民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)肢オを検討してみよう その2

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年13問肢オを検討することになりました。
正解を出すことはできるのですが,利益状況を考える必要性があるという話をしておりました。
花子さんは,キチンと整理できたでしょうか。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあです。

スク東先生:ふーん,それはよかったです。では,早速,前回の続き,やっていきましょう。

改めて,民法司法令和3年13問肢オ(予備試験令和3年第6問肢オ)です。

「オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。」

結局,どうして同時履行にならないのかということを具体的に考えるというのが課題でした。
うまく整理できましたか。

まあ,一応。結局,債務の弁済と当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続を同時にすると困るからだと思いました。

スク東先生:いやいや,それ,前回こちらで指摘したことですよね。

あれ,ばれました。

スク東先生:なるほど・・・。そうですか,わかりました。では,一緒に整理してみましょう。

よろしくお願いします。

スク東先生:まず,同時履行だと,どう困るんでしょうか。具体的にイメージできるでしょうか。

うーん。

スク東先生:そこを想像すると少し見えてきますよ。例えば,単純に債務の弁済の期日に,登記所が休みだったりしたらどうでしょう。また,登記の手続が時間的に間に合わないことだってありそうですよ。

なるほど,確かに。そうだとしたら,債務を履行しなくてよくなります。

スク東先生:はい,仮に抵当権の抹消登記と債務の履行が同時履行だったら,そうなってします。そうすると,履行期が経過して,債務を履行していないのに,履行遅滞にならないんですよ。

そうか,同時履行という合理的な理由があれば,違法性がないですからね。債務者としては,ラッキーな感じがします。

スク東先生:そうですね。ただ,抵当権者(債権者側)から見るとどうでしょう。確かに債務の履行があれば,もう担保の必要がなくなるので,抵当権抹消登記を行うべきですが・・・。

はい,相手方に酷だと思いました。

スク東先生:ということで,債務の履行は先履行になります。

実際のイメージを踏まえるとよくわかりますね。

スク東先生:はい,まあ,この位であれば,イメージしてなくても記憶で正解できると思いますが,簡単な事例から訓練してみるといいですね。

なるほど,よくわかりました。ただ,後履行で抵当権抹消登記の実効性が確保できるんですか。

スク東先生:なるほど,いいところに疑問を持ちました。そこに関しては,債務を履行したら受取証書が同時履行でもらえます(486条)。ということは,仮に履行後に,抵当権が残っても,実体がないものであることを債務者は言えますね。

そうか,あとで妨害排除すれば,最悪,抵当権を消せますね。

スク東先生:はい,だから,後履行は,実効性は,一応確保できるということでしょう。

わかりました。いろいろ話しましたけど,債務者が,期間を経過しているのに,相手方の都合を指摘して,履行遅滞を免れる点が一番おかしいと思いました。

スク東先生:そうですね。まずは,一番ポイントになることを押さえて整理されるとよいと思います。それでは,今日も時間となりましたので,これで終わります。この続きはまた来週,お楽しみに。

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