民法・司法試験令和3年第13問(予備試験令和3年第6問)肢アを検討してみよう

【前回のあらすじ】

今日から,民法司法令和3年13問を検討することになりました。
まずは,肢アからですね。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあです。

スク東先生:なるほど,そうですか。いつも,申し上げていますが,体調には気を付けましょう。
それでは早速,問題の検討を始めていきましょう。

民法司法令和3年13問肢アです。

「ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。」

正解はどうでしょう。

正しいです。

スク東先生:そうですね。なんでですか?

条文にあります。

スク東先生:そうですね。確認してみましょう。

(抵当地の上の建物の競売)
第389条
1.抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
2.(略)

389条1項です。だから,正しい。

スク東先生:まあ,そうですね。自信をもって解答いただきました。もちろん,あっているのですが・・・。

はい,試験では条文見れません。

スク東先生:そうです。また,他にも条文はたくさんあります。ですので,押さえるためにも,しっかり意味を確認する必要があります。

単に覚えようとしても,すぐ忘れてしまいますからね。

スク東先生:そういうことです。それで,どう考えましょうか。

うーん。

スク東先生:なるほど,悩んでしましたか。こういう時は,原則にしたがって考えるといいと思います。本件の場合,本来どういうことができるはずですか。

えっと,今回は「土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合」です。この抵当権は更地としての交換価値を把握しているので,土地を競売できますね。

スク東先生:建物と土地は別ですから,そういうことになりますね(370条本文)。

はい,ただ,土地だけだと買った人が,若干,困ったことになりそうです。だから,389条1項があるのかと。

スク東先生:なるほど,方向性はあってますが,具体的にどういった問題が生じるのでしょう?

うーん。

スク東先生:そうですか。確かに,イメージがしずらいですよね。じゃあ,もう少し具体的に先を考えてみましょう。仮に,本件のケースで土地だけ競売されて,第三者が競落しました。
この者は,土地上の建物を使うことはできますか。

なるほど,使うことはできませんね。建物には別人の所有権がありますから。

スク東先生:そうなんです。土地の競落人は,建物に対抗できる土地(更地)を買っています。したがって,その利用を邪魔するとして,建物を収去はするよう請求できる(要は妨害排除)でしょうが,建物をそのまま使うことはできません。

そうか。仮に競落人が,将来この土地を宅地として利用する場合,えらい不便です。

スク東先生:はい,このままだと,建物を壊したうえで建て替えることになります。

なるほど,だから,389条1項ですね。

スク東先生:そうです。建物所有者も,更地の評価で抵当権がついていることをわかって,建物を建てている。そして,仮に土地だけ競売されると,建物は取り壊される。389条1項のように,一括競売を行えば,建物の代価は,建物所有者に入りので,投下資本を一部回収できます。取り壊すよりは,ましでしょうということですね。

そうか,よくわかりました。

スク東先生:はい,これは一例ですが。389条のような,一見わかりづらい条文も,実際の状況も踏まえると意味がわかってきます。こんな感じで,しっかり一つ一つ条文を理解しましょう。では,今日も時間となりましたので,この辺りで終わりにします。また,来週,お楽しみに。

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