民法・司法試験令和3年第5問肢エを検討しよう その3

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年5問肢「エ.消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合において,その承認が時効完成の事実を知らずにされたものであるときは,債務者は,承認を撤回して時効を援用することができる。」を検討しておりました。
しっかり,理解するために原則から確認することになったのですが,その過程で抽象的な概念を確認することになりました。
東さんは,しっかり整理できたでしょうか。

それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあです。

スク東先生:そうですか。寒いので,体には気を付けましょう。
それでは早速,いきましょう。

民法司法令和3年5問肢エです。

「エ.消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合において,その承認が時効完成の事実を知らずにされたものであるときは,債務者は,承認を撤回して時効を援用することができる。」

前回からの続きですが,しっかり考えてきましたか。

えっと,なんでしたっけ。

スク東先生:いやいや,肢エは,「その承認が時効完成の事実を知らずにされ」て,その後「債務者は,承認を撤回して時効を援用しよう」としてますが,時効の考え方から,この意味を整理するという話ですよ。

そうでしたね,思い出しました。一応,あの後,やったような気がします。

スク東先生:なるほど,よかった。では,聞かせてもらいましょう。

はい,確かに,時効の効力が確定的に発生するには,時効期間の経過のみならず援用(145条)または放棄(146条)が必要です。知らないで債務の承認をしても,援用,放棄,いずれにも該当しなかったはずです。

スク東先生:おお,いいですね。もう少し,詳しく説明できますか。

あれ,どうだったけ。やったときは,納得したんだけど。

スク東先生:なるほど,ちょっと難しいですからね。では,一緒に確認してきましょう。結局,時効の援用と放棄は,法律行為なので,効果の発生を意欲が必要です。したがって,時効の放棄は,時間完成を知って承認しないといけないんですよ。

あ,そうでした。だから,知らないで,債務を承認しても,時効の放棄,もちろん援用もない。したがって,まだ時効の効果が不確定なので,承認を撤回して,時効の援用できるのではという話ですね。

スク東先生:そういうこと,ようやく先が見えてきました。ただ,相手から見てどうでしょう。

はい,知って承認したかなんて,わかりません。ですので,不意打ちになります。そうか,だから信義則で援用できないわけですね。

スク東先生:そうです。債務を承認したのに,あとで,それを撤回して援用することは,信頼を裏切った。矛盾挙動と評価できますからね。それで大丈夫だと思います。

よかった,なんとかできました。

スク東先生:はい,よかったです。こんな感じで肢をしっかり理解していけばいいでしょう。ということで,今日はこの辺りで終わりします。それでは,この続きは,来週お楽しみに。

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