民法・司法試験令和3年第5問肢エを検討しよう その2

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年5問肢「エ.消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合において,その承認が時効完成の事実を知らずにされたものであるときは,債務者は,承認を撤回して時効を援用することができる。」を検討しておりました。
しっかり,前回の話では原則からしっかり,考えようという話になりました。

それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

まあまあかな。っていうか,1週飛びましたね。どうかしたんですか。

スク東先生:いやー,準備していたんですが,更新日時を間違えてしまして・・・。

そうだったんですね。具合が悪くなったのかと心配してました。

スク東先生:おかげさまで,なんとか,大丈夫でした。
そうはいっても,寒いので,体には気を付けましょう。
それでは早速,前回の続きを始めていきましょう。

改めまして,民法司法令和3年5問肢エですね。

「エ.消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合において,その承認が時効完成の事実を知らずにされたものであるときは,債務者は,承認を撤回して時効を援用することができる。」

正解は誤りですが,原則から,しっかり考えようという話になりました。
東さん,整理してきましたか。

まあ,一応。

スク東先生:いいですね。じゃあ,説明しもらいましょうか。

はい,本件において,承認を撤回して,時効の援用することは,信義則(1条2項)に照らしてできません。

スク東先生:いやー,なるほど。確かに,結論はあっています。ですが・・・。

あれ,なんかおかしなこと言いました?

スク東先生:うーん。そういうわけではないのですが,若干,論理が飛んでるというか・・・。

そうですか,どこだろう?

スク東先生:わかりました。質問しますので,この機会に考えてもらいましょう。肢エでは,「消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合」とあります。そして,承認が時効の完成を知らずにされたとありますが,時効の期間が経過した場合に,債務(債権)は,どうなりますか。

確か,時効の期間が経過しただけでは,債権は確定的に消滅しなかったはずです。

スク東先生:おおいいですね。債権の存続や消滅は,不確定という話ですね(不確定効果説)。では,何をすれば効果が確定するんですか。

えっと,援用(145条)または放棄(146条)です。

スク東先生:そうです。時効の期間が経過後に当事者が援用すれば,債務(債権)は,確定的に消滅する。逆に,放棄をすれば,確定的に消滅しないことになります。だいぶ,整理できているじゃないですか。

はい,なんとか。

スク東先生:はい,ここまでできてれば,概ねわかってきそうなものなんですが・・。もう少し質問してみましょう。肢エでは,「その承認が時効完成の事実を知らずにされ」て,その後「債務者は,承認を撤回して時効を援用しよう」としてます。これまでの議論を踏まえると,これは,どういうことを聞きたいんですかね。

うーん。

スク東先生:なるほど,この辺りで引っかかったんですね。ちょっと,観念的なことがでてくるので難しいですからね。わかりました。今回はよく整理されたということで,この続きをもう一度考えてほしいです。

そうですか,一つ一つ整理した方が,しっかり理解できますからね。わかりました,やってみようと思います。

スク東先生:はい,さっと説明してまうと,どうせ残りませんからね。勉強するという意味ではその方がいいと思います。ぜひ頑張ってください。
ということで,今日はこの辺りで終わりします。それでは,この続きは,来週お楽しみに。

広告
カテゴリー: 民法, 令和3年 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中