民法・司法試験令和3年第1問(予備試験令和3年第1問)肢イを検討しよう

【前回のあらすじ】

民法司法令和3年1問(民法予備令和3年1問)肢アを検討しました。
つぎは,肢イです。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

ぼちぼちです。

スク東先生:なるほど、そうですか。体調管理には気をつけましょう。
では、早速、前回の続きを始めていきましょう。

民法司法令和3年1問肢イ(民法予備令和3年1問肢イ)です。

「イ.死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が,その危難が去った後1年間明らかでないことを理由として失踪宣告がされた場合には,失踪宣告を受けた者は,その危難が去った時に死亡したものとみなされる。」

正解はどうでしょう。

正しいです。

スク東先生:そうですね。なんでです?

条文があります。

スク東先生:なるほど,確認してみましょう。

(失踪宣告)
第30条
1不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。

(失踪の宣告の効力)
第31条
前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。

30条2項,31条後段です。

スク東先生:確かにそうなんですが・・・。

はい,ただそれだと,しっかり押さえられないです。

スク東先生:まあ,そうですよね。この位なら抑えられるかもしれませんが,これを機会に少し考えていきましょう。どうして,普通失踪(30条1項)のように期間満了のとき(31条前段)ではないんですかね。

うーん。

スク東先生:なるほど,考え込んでしまいましたか。そんなに難しく考えてなくて大丈夫ですよ。失踪宣告を受けたときに,死亡としたとみなす,わけですよね。特別失踪のとき,どういう風に考えるのが自然でしょう。

死亡の原因となるべき危難,例えば自然災害などで,行方不明になってしまった場合,その時に亡くなったと考えるべきということでしょうか。

スク東先生:そうですね。結論から考えるとそうなりますね。まあ,実際は,危難後,数日生きていたことも考えられますが,確認できない段階では一律に処理をする必要があります。

はい,そこで「その危難が去った時」として法的安定性を図ったと。

スク東先生:まあ,そんな感じで整理すれば,理解できるでしょう。仮に,違っていた場合は,失踪宣告を取消すこともできますしね。(32条1項)

(失踪の宣告の取消し)
第32条
1. 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。

本当ですね。よくわかりました。

スク東先生:はい,また普通失踪の時は,さすがに原因を決めらません。そこで,政策的に7年経過後とし整理すればよいでしょう。細かいようですが,期間満了時であって失踪宣告の請求時でないことは気を付けましょう。

なるほど,利害関係人がいつ失踪宣告を請求するかという偶然の事情で,死亡時が変わるのは法的安定性を欠きますね。

スク東先生:そうですね。法的安定性を意識して,合理的に死亡時期を特定していると理解すればよいでしょう。民法は,特に条文も多いのでイメージが大事です。こんな感じで整理しましょう。それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。この続きは,また来週お楽しみに。

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