刑事訴訟法・令和3年第26問肢ウを考えてみよう 

【前回のあらすじ】

刑法の令和3年第26問肢イの検討をしました。本日は肢ウです。
それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。

普通です。

スク東先生:なるほど、それでは、早速、肢を検討しましょう。予備試験令和3年第26問肢「ウ.単なる量刑不当は適法な上告理由に当たらないが,刑の量定が甚しく不当で,原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められることは適法な上告理由となる。」です。

結論は、どうですか。

誤ってますね。

スク東先生:なんでですか。

これも、条文ですね。

スク東先生:なるほど、確認してみましょう。

第405条
高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
1.憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
2.最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
3.最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

(原判決破棄の判決)
第411条
上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合であっても、左の事由があって原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
1.(略)
2.(略)
3.判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
4.(略)
5.(略)

411条をよーく見ると、上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合を前提としてます。

スク東先生:そうですね。したがって、上告理由にはなりません。

うーん、やっぱりよくわかりません。

スク東先生:そうですよね。結局、大枠で整理するべきでしょう。上告審(最高裁判所)は、違憲判断を行う終審裁判所(憲法81条)です。他には、過去の判例の解釈の統一もあります(法解釈の統一)(第405条2項・3項)が上告理由は限られてます。

なるほど、そうですね。

スク東先生:はい、上告審は、基本的に法律審(事後審)です。ここからも、事実に関しては、上告理由にならないと判断できるでしょう。

やはり、大枠ですね。

スク東先生:そうですね。大きな方向性を抑えましょう。あと、411条3号の意味もこの機会に確認したいです。

そうですね。さすがに、法律審だからといって、正義に反するような重大な事実誤認を放置するわけにはいきません。

スク東先生:はい、刑事裁判制度の全体の信用にも影響がありそうです。そこで、411条3号で職権で判決を破棄できます。

最高裁判所が、最終的に重大な判断を下せるのは、一般の感覚になじみます。

スク東先生:そうですね。上告審が法律審なのは、訴訟経済(効率)の問題です。ですので、重要なときは、最高裁判所も処理できると押さえておきましょう。

最高裁判所の裁判官も、数が限られてますからね。

スク東先生:はい、そこも踏まえて刑事訴訟法条文が設計されていることはイメージしておきましょう。それでは、今日は、この辺りで終わりします。
この続きは、また、来週お楽しみに。

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