刑法・令和2年第2問肢4を考えてみよう  その1

【前回のあらすじ】

刑法令和2年第2問肢3を検討しました。次は、肢4を考えていきましょう。

それでは、はじまりはじまり。

スク東先生:こんにちは、東さん。調子はどうです。

考えている

まあまあですかね。

スク東先生:なるほど、そうですか。体が資本ですので体調管理をしましょう。
では、前回の続きをやっていきましょう。問題はこちら。

〔司法試験令和2第2問・予備試験令和2年8問〕
4.甲は,乙から某日までに製茶を買い付けてほしい旨の依頼を受け,その買付資金として現金を預かっていたところ,その現金を確実に補填するあてがなかったにもかかわらず,後日補填するつもりで自己の遊興費に費消した。この場合,甲がたまたま補填することができ,約定どおりに製茶の買い付けを行ったとしても,甲には,横領罪が成立する。

(他の肢は省略)

スク東先生:これは、どうでしょう?

東花子さん

えっと、横領罪が成立するので正しいですね。

スク東先生:なるほど、結論はあってます。どのあたりが、ポイントになりますか。

花子さん

えっと、甲は約定どおりに製茶の買い付けを行ってします。したがって、乙の委託信任関係に背いていないように思うのですが・・・。

スク東先生:そうですね。確かに、途中で甲は「その買付資金として現金を預かっていたところ,その現金を確実に補填するあてがなかったにもかかわらず,後日補填するつもりで自己の遊興費に費消し」てます。
この時点は、委託信任関係に背いて所有者として振舞っているのですが。

東花子さん

はい、結果的に「たまたま」ではありますが補填して、約定を守ってます。だったら、別にわざわざ刑罰を科すのは、いきすぎではということですね。

スク東先生:まあ、そういうことですね。イメージできると、ポイントに気付けるでしょう。ただ、本件の場合でも、横領罪が成立します。どうしてでしょうかね。

東花子さん

うーん、結果よければすべて良しとすると、危険な行為を防止できないですね。

スク東先生:そうですね、いいでしょう。あとは、法的安定性の問題もあるでしょう。

考えている

はい、その辺りも含めて、やはり横領罪を成立させる必要がある。

スク東先生:そうですね。その上で、補填されたのは、横領罪がいったん成立したあとの事情なので、犯罪成否には影響がないと理解すればよいでしょう。

東花子さん

なるほど、結論はわかりました。ただ、やっぱり甲が約定を守ったことに関してなんら考慮しないのはかわいそうな気もするのですが・・・。

スク東先生:なるほど、確かにそれはそうです。これらの事情は、責任に影響があるので、個別具体的な自由として量刑で考慮されるでしょう。

東花子さん

そうか、犯罪成立の段階では、構成要件が類型判断なのでざっくり判断する。細かな具体的な事情は、違法性や責任で考慮して量刑で判断するわけですね。

スク東先生:そうですね。この辺りの理解は、各論全体として役立つはずです。しっかり、この機会に整理しておきましょう。それでは、今日も時間となりましたのでこの辺りとします。この続きは、また来週お楽しみに。

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