【前回のあらすじ】
刑法の司法30-14を検討しました。これから、刑法令和2年第1問を検討するようですね。
それでは、はじまりはじまり。
スク東先生:こんにちは。調子はどうですか。
スク東先生:なるほど、そうですか。寒くなってきましたので、くれぐれも体調をくずなさいよう気をつけてください。。
それでは、今日からは、新しい問題を検討していきたいと思います。検討する問題はこちらです。
〔司法試験令和2第1問・予備試験令和2年11問〕
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
1.甲は,Xに対し,暴行や脅迫を用いて,自殺するように執拗に要求し,要求に応じて崖から海に飛び込んで自殺するしかないとの精神状態に陥らせた上で,Xを崖から海に飛び込ませて死亡させた。この場合,甲に,Xに対する殺人罪は成立しない。
2.甲は,追死する意思がないのにあるように装い,その旨誤信したXに心中を決意させた上で,毒物を渡し,それを飲み込ませて死亡させた。この場合,甲に,Xに対する殺人罪は成立しない。
3.甲は,財物を奪取するために,当該財物の占有者Xに対し,反抗を抑圧するに足りる程度の暴行や脅迫を用いて,当該財物を差し出すしかないとの精神状態に陥らせた上で,当該財物を差し出させた。この場合,甲に,Xに対する強盗罪は成立せず,窃盗罪の間接正犯が成立する。
4.甲は,日頃から暴行を加えて自己の意のままに従わせて万引きをさせていた満12歳の実子Xに対し,これまでと同様に万引きを命じて実行させた。この場合,Xが是非善悪の判断能力を有する者であれば,甲に,窃盗罪の間接正犯は成立せず,Xとの間で同罪の共同正犯が成立する。
5.甲は,Xが管理する工事現場に保管されている同人所有の機械を,同人に成り済まして,甲をXであると誤信した中古機械買取業者Yに売却し,同人に同機械を同所から搬出させた。この場合,甲に,Xに対する窃盗罪の間接正犯が成立する。
スク東先生:そうですね。まあ、皆さんが関心あるところだと思うので、これからじっくり検討していこうと思います。
スク東先生:そうですね。早速、入っていきたいんですが・・・。
スク東先生:いやー、いきなりやっていくのもいいんですが、東さん、なんの準備もしていないでしょ。
スク東先生:・・・。えっと、自信をもって言われてもね。自分なりに考えをあらかじめ整理して取り組まないと受け身になってしまいます。
スク東先生:そういうこと、ということで、今日は、前振りということにしましょう。一つ一つ丁寧に考えることを心掛けたいですね。それは、今日は、この辺りでということ致しましょう。この続きは、また来週お楽しみに。