刑法・条文から論点を考えよう(偽証罪を例にして)その1

【前回のあらすじ】

刑法の論点を考えました。条文から出すのが基本ということを確認しました。
今回は,別の問題を検討するようですよ。

では、はじまり、はじまり。

スク東先生:こんにちは、東さん。調子はどうですか。

東花子さん

ぼちぼちです。

スク東先生:ふーん、そうですか。季節の変わり目は,体調を崩しやすいので気を付けましょう。今日は,予備26-2を使って,「偽証罪」について検討します。

考えている

よろしくお願いします。

スク東先生:問題はこちらです。

偽証の罪に関する次の各【見解】についての後記アからオまでの各【記述】を検討した場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
【見 解】
A説:「虚偽の陳述」とは,その内容が証人の主観的な記憶に反する陳述をいう。
B説:「虚偽の陳述」とは,その内容が客観的な事実に反する陳述をいう。
【記 述】
ア.A説は,証人が主観的な記憶に反する陳述をすること自体に司法作用を侵害する抽象的な危険が認められることを根拠としていると理解することができる。
イ.B説に対しては,結局のところ宣誓義務に違反したことを処罰するものであるという批判が可能である。
ウ.B説に対しては,証人が記憶に反する事実を客観的な真実に合致していると考えて陳述しさえすれば偽証罪が成立しないことになってしまうという批判が可能である。
エ.証人が,甲がVを包丁で刺した事件現場におらず,甲がVを包丁で刺すところを見ていないのに,客観的な真実は甲がVを包丁で刺したのだと考えて「私は,事件現場にいて,甲がVを包丁で刺したのを見た。」と陳述した場合,真実甲がVを包丁で刺したものであったとしても,「虚偽の陳述」に当たるかどうかを,事件全体との関係ではなく,個々の陳述との関係で判断するとすれば,B説からも偽証罪が成立する。
オ.証人が,Vを包丁で刺した犯人を見て,そのときは犯人が甲に見えたが,その後記憶が曖昧になり,逆に報道などを見て「真実はVを刺したのは甲ではない。」と考えるに至り,「Vを包丁で刺した犯人が甲でないことは間違いない。」と陳述した場合,真実Vを包丁で刺したのが甲であれば,いずれの説からも偽証罪が成立する。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ

考えている

いやー,見解問題ですか。苦手だなぁ。

スク東先生:なるほど,その気持ちは,よーくわかります。ただ,偽証罪で,このパターン問題は結構,出題されているので,この機会にしっかり押さえていきましょう。

東花子さん

はい,わかりました。

スク東先生:まず,前提として解く前に,確認なんですが,判例の見解は,どちらでしょう。

花子さん

A説(主観説)です。

スク東先生:いいですね。見解の問題が出たときは,判例の結論の見解を意識しましょう。実務は,判例です。したがって,一般的に,判例からの結論が正解に絡むことが多いです。

東花子さん

確かに,論文でも自説を判例の見解によせるから,その結論は大事そうです。

スク東先生:そういうこと,ぜひ,意識ください。また,さらに前提の話になりますが,どうしてB説(客観説)があるんでしょう。

東花子さん

えっ!!ええええ。よくわかっていません。

スク東先生:それはいけません。意味を押さえないと,類似問題が解けません。そこで,ぜひ一緒に考えたいのですが,どこを足掛かりにしましょうか。

花子さん

条文です。

スク東先生:その通り,やはり条文が出発点です。確認しましょう。

(偽証)
第169条
法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3か月以上10年以下の懲役に処する。

スク東先生:さあ,どうしてB説がでてきたのか,わかります?

東花子さん

うーん。ちょっと,考えていいですか。

スク東先生:なるほど,確かにここはしっかり考えたいので時間を置きましょう。それでは,この続きは,また来週,お楽しみに。

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