刑法総論・不可罰的事後行為を考えよう(予備24ー8肢エを題材にして 第5回)

前回のあらすじ

予備24−8エ.自動車を盗み、これを売却した【牽連犯】を検討しました。結論をいいますと、売却した行為は、窃盗とは牽連犯となりません。不可罰的事後行為について、理論構成を考えることになりました。
窃盗犯が状態犯ということが、ポイントのようですが、確認していきましょう。

では、はじまり、はじまり。

スク東先生:こんにちは、東さん。調子はどうですか。

東花子さん

暑いですね。

スク東先生:そうですか。まあ、暑いと体力が奪われがちですが、頑張っていきましょう。早速ですが、問題の続き検討しましょう。

予備24−8 次のアからエまでの各事例を判例の立場に従って検討し、成立する犯罪が【】内の罪数にある場合には1を、【】内の罪数にない場合には2を選びなさい。

エ.自動車を盗み、これを売却した【牽連犯】

売却した行為は、不可罰的事後行為となりますが、窃盗罪が状態犯であることがポイントでした。

考えている

そうですね。確認しました。たしかに状態犯は、実行行為は即終了するけど、法益侵害は継続する犯罪類型でしたね。

スク東先生:その通り。そこが分かれば、不可罰的事後行為が説明できるというところで、終わりました。その後、整理できましたか。

東花子さん

はい、一応。

スク東先生:なるほど、聞かせてもらえますか。

考えている

窃盗罪の保護法益は、占有です。窃盗後は、占有侵害が継続しているわけだから、売却による新たな法益侵害はないと思うのですが・・・。

スク東先生:うーん、方向性は、あっているんですが、まだ、何か足りない気がしますね。

東花子さん

えっ、なんだろう?

スク東先生:そうですか。勝手に車の売却で、侵害しているのは、所有権じゃないですかね。占有権でなくて・・・。

考えている

たしかに、言われてみればそうですね。

スク東先生:そうしたら、窃盗の占有権の侵害で、所有権の侵害を評価しているって、説明おかしいんじゃない。

東花子さん

そっか、気づかなかったなぁ。

スク東先生:そうなんですよ。ここをしっかり整理したいわけです。結論は、知っているかもしれないけど、なんとなくにしない方がいいですね。どう考えましょう?

考えている

えっと、えっと。よくわかってません。

スク東先生:まあ、そうなりますね。じゃあ、質問ですが、窃盗罪の保護法益は、占有権といったけど、どうして、そう考えるでしたっけ。

東花子さん

あっ、確か本権にもとづく占有を保護したいんだけど、複雑な社会においては本権を伴う占有かはわからないので、とりあえず占有権を保護するんでした。

スク東先生:おお、そうですね。結局、窃盗罪の保護法益は、占有権なんだけど、占有権のみを保護するのが目的じゃなくて究極的には本権(この場合、所有権)の保護も含まれているわけです。

東花子さん

なるほど、だから窃盗で、本権(所有権)の侵害も継続しているといえるので、売却による新たな法益侵害がないという話になるわけですね。

スク東先生:そういうこと、窃盗罪の保護法益の考え方に本権説があったりしますが、その辺りを意識できるとこの考え方もより理解できるでしょう。この機会にしっかり、整理してくださいね。それでは、時間となりましたので終わりにします。

では、また来週お楽しみに!!

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