刑法総論・罪数論1

前回のあらすじ
短答過去問・司法28-19を使い、5回にわたり共犯の問題を検討しました。今回から日頃、手薄になりがちな罪数論を2回にわたって検討します。
では、はじまり、はじまり。

スク東先生:こんにちは、勉強は、進んでいますか。

東花子さん

はい、焦っても仕方がないと思い、出来ることを1つ1つ丁寧に押さえています。


スク東先生:それでいいです。とにかく、淡々と考える勉強を続けていってください。

東さん:はい。そうします。

スク東先生:では、早速、問題の検討をしていきましょう。罪数論ということで、予備の24−8のアから見てみましょう。



予備24−8 次のアからエまでの各事例を判例の立場に従って検討し、成立する犯罪が【】内の罪数にある場合には1を、【】内の罪数にない場合には2を選びなさい。

ア.公務員が、電化製品を盗品であると知りながら、賄賂として収受した。【観念的競合】

スク東先生:どうですか。

東さん:はい、観念的競合で○です。だから、1です。

スク東先生:そうですね。でも、なぜですか。というか、そもそも観念的競合って、何ですか。

東花子さん

えっと、1つの犯罪行為が、2つ以上の犯罪構成要件に該当することをいいます。


スク東先生:そうですね。では、どうやって観念的競合を判断するでしょうか。

東さん:確か、自然的観察のもと、客観的に見て複数の犯罪に該当するが、行為自体1つだと評価出来るという、場合だと思います。

スク東先生:いいですね。よくポイント押さえてます。

本件でいえば、公務員は「電化製品を盗品と知りながら」とあるので、まず盗品等無償譲受罪(刑法256条1項)が成立し、その上で当該盗品を「賄賂として収受」しているので、単純収賄罪(197条1項前段)が成立します。盗品は、有償か無償かわかりませんが、賄賂としてとあるので、ここでは、無償でもらっているとしましょう。

考えている

はい、収受行為で、「被害者の追求権」と「職務公正および公務員に対する社会の信頼」を害してますからね。個人的法益と国家的法益の侵害をそれぞれ、評価することになる。


スク東先生:その通り!よく、勉強されてます。公務員は、かかる2つの犯罪に関わる行為を1度で行っていますので、「観念的競合」になりますね。

では、観念的競合の効果は、知っていますか。

花子さん

あれ、なっだっけ。

スク東先生:あらら。そこしっかり、押さえたいです。複数の該当する犯罪のうち、1番重い刑を科されますよ(54条1項前段)。こういう取扱いのことを何というでしょう? 東さん:えっと、科刑上一罪だったと思います。罪数としては、今回の場合2罪ですね。 スク東先生:おお、いいですね。そこまで、分かっていれば大丈夫でしょう。ただ、答えを出すだけでダメで、今見たいにしっかり、理解をして正解したいですね。罪数問題は、細かいので敬遠しがちですが、理解をすれば得点源になるので、この機会にしっかり押さえてもらえればと思います。 東さん:わかりました。ありがとうございます。 スク東先生:いい返事ですね。ぜひ、その調子で頑張っていきましょう。これで終わりにしたい思いますが、次回は肢エを検討したいと思います。 予備24−8
エ.自動車を盗み、これを売却した【牽連犯】

この肢について、少し考えてみてください。その際には、罪数の答え以外に、周辺のことも少し整理しておいてください。 それでは、今日も時間となりましたので終わりします。この続きはまた、来週お楽しみに。
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