予備試験30年4問(民法)肢イを検討する 第5回 建前の建物を工事した場合の建物所有権の帰属を考える(最判昭54.1.25)その2

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年4問(司法試験平成30年第11問)(民法)肢「イ.AがBに対して,完成した建物の所有権の帰属について特約をせずに,A所有の土地上に建物を建築することを注文したところ,Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した場合(その時点における時価400万円相当)において,Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げ(その時点における時価900万円相当),かつ,AがCに代金を支払っていないときは,当該建物の所有権は,Cに帰属する。」を検討することになりました。
正解は,正しいと分かったのですが,例によって意味を考えることになったのでした。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
肢イについて,判例がある(最判昭54.1.25)と指摘がありましたが,どのあたりが,ポイントか分かりましたか。

考えている

はい,動産の付合(243条)か,加工(246条2項)のどっちを検討するかですかね。

いいですね。条文を確認してみましょう。

(動産の付合)
第243条
所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。

(加工)
第246条
1.他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
2.前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。

結局,Cの工作を動産の付合と考えると,基礎部分をやっているBのものとなって,加工と考えると,Cが材料の一部を供しているので,Cが所有権を取得することになります。

東花子さん

そうですね。

それで,この場合は加工の規定が適用されて,Cが所有権を取得することになりますね。
どうしてでしょうか。

東花子さん

そうですね。まず,Cは不動産として完成させているので,動産の付合とは利益状況が違うように思いました。

そうですね。
243条が想定しているのは,動産同士が付合して,動産のままの状況を想定していると思われます。
結局,動産は転々流通することが予定しています。
そこで,共有としてしまうと流通が阻害されてしまいますからね。

東花子さん

なるほど,わかりました。

そのあたりを考えると,工作を重視して,加工を適用すべきですね。

考えている

あと,加工としておけば,BCの利益調整も柔軟にできると思いました。

そうですね。まあ,そんな感じで押さえればよいでしょう。
あとは,価格を見て合理的に判断すれば大丈夫ですね。

東花子さん

なるほど,わかりました。まあ,価格をヒントに考えれば,正解は出せると思いました。

いいですね。難しいことをやろとすると,ドツボにはまります。
そういうときは,最低限,ポイントだけ押さえましょう。それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。
それでは,この続きは,また明日お楽しみに。



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