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平成29年司法試験民法(解説編)
平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年3問(民法)肢「ウ.Aは,Bが所有する甲土地を解除条件付でBから買い受ける旨の売買契約を締結し,当該売買契約に基づいてBから甲土地の引渡しを受けた。その後,解除条件が成就した場合,Aの甲土地に対する占有は自主占有でなくなる。」を検討することになりました。解除条件が成就した場合,契約が遡及的になくなるので他主占有になるのではという疑問が生じるのですが,結局そうはならないようです。
どうしてでしょうか?自主と他主で大きく違う制度をイメージすれば,理由がなんとなくわかってくるようですが,花子さんはイメージできたでしょうか。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速はじめていきましょう。
解除条件が成就すると契約が遡及的に消滅しますが,占有形態は自主占有のままのようですね。
どうしてか,考えてみましたか。
おおいいですね。どうして,分かったんですか。
良かった,昨日のヒントが行きましたね。そこのところ,もう少し説明してもらえますか。
おしい!!仕方ないので,一緒に考えていきましょう。
結局,時効の趣旨に,永続的な事実状態の尊重という点がありますね。もちろん,権利の上に眠るものを保護しないとか,立証の困難性の回避とかありますが,ここでは,「永続的な事実状態の尊重」に着目してみます。
そうすると,解除条件で法的効果がなくなっても,一度,契約によって移転したという事実は覆滅しないように思いますね。
はい,あと「権利の上に眠るものを保護しない」から考えても,解除条件が成就して相手方が占有を続けていたら,権利者は土地明渡しを請求すべきです。ということは,相手方の占有は,ほったらかししたら権利がなくなる自主占有と理解できるでしょう。
そうですね。逆に状況がわからないと法的効果に引っ張られて間違える可能性があります。
ですので,分からない時は思い出すのではなく,イメージをして問題にあたるようにしましょう。
それでは,時間となりましたので終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。