予備試験30年3問(民法)肢イを検討する 第3回 占有補助者

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験30年3問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験30年3問(民法)肢「イ.Aが所有する甲建物にAと同居しているAの未成年の子Bは,甲建物の占有権を有しない。」を検討していきます。

結論は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

なるほど,どうしてですかね。

東花子さん

確か,この場合,未成年者Bは占有補助者ではなかったかと・・・。ですので,Bに占有権はありません。

確かに,結論はそうなんですが,占有補助者って条文にありますかね。

東花子さん

うーん,見たことないなぁ。

そうですね。解釈上でてきた話でしょう。そこは確認しておきたいですね。
ちなみに,占有権ってなんですか。

考えている

それは,事実上支配(占有)することで発生する物権だと思います。

なるほど,ポイント押さえてます。その定義からすると,未成年者Bも甲建物にいるので,事実上支配しているといえなくもなさそうですね。

東花子さん

確かに,形式を考えるとそうともいえますね。あんまり意識したことないけど,よくよく考えるとそうだ。

はい,勉強が進むとかえって気づかなくなるんですが,こういった素朴な疑問が意外と理解に役だったりするんですよ。

東花子さん

なるほど,占有補助者なんて解釈は,いきなりしないということですね。

そういうこと。占有補助者という話をするのは,結局,占有権をAにもBにも認めると社会的に問題だという利益状況があるからです。ここをイメージしない限り,ただの暗記ですね。

花子さん

確かに,論理がとにかく学ぶ上で大事だと・・・。そうですね,AとBにそれぞれ占有権を認めると,家族関係で権利行使がバラバラになって法律関係が複雑になるように思いました。

いいですね。概ね,それで大丈夫でしょう。社会の不都合性は,イメージができれば,筋が通ったことがいえます。
ここまで分かると,この場合のBに権利を認めないとする必要性がある点は明らかですね。

東花子さん

なるほど,それで占有補助者という概念を用いて,合理的にそのことを説明しているのですね。

はい,社会的事実に合うように法を解釈して,つじつまを合わせていく。その発想が,大事のように思います。
論理をもって勉強するようにしましょう。それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。
この続きは,また明日お楽しみに。



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