平成29年司法試験民法(解説編)
平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,司法試験29年27問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,昨日の続きで,司法試験29年27問をやっていきましょう。
また,忘れないように伝えておきますが,司法試験29年民法(解説)更新しました。
では問題文を載せておきます。
司法試験29年27問(民法)
A所有の甲土地をBがCに対して売り渡す旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が締結された場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.本件売買契約が締結された時に,Aが甲土地を他の者に譲渡する意思がなく,BがAから甲土地の所有権を取得することができない場合であっても,本件売買契約は有効に成立する。
- イ.Bが死亡し,AがBを単独で相続したときは,Aは,Cに対し,甲土地の売主としての履行を拒むことはできない。
- ウ.Cが甲土地の引渡しをBから受けるのと同時にBに対して甲土地の代金を支払ったが,Bが甲土地の所有権を取得することができなかったことから,Cは,本件売買契約を解除した。その後,CがAから甲土地の引渡しを請求されたときは,Cは,Bから甲土地の代金の返還を受けるまで,甲土地を留置することができる。
- エ.本件売買契約が締結された時にBが甲土地の所有権がBに属しないことを知らず,Cが甲土地の所有権がBに属しないことを知っていた場合において,Bが甲土地の所有権を取得してCに移転することができないときは,Bは,Cに対し,甲土地の所有権を移転することができない旨を通知して,本件売買契約を解除することができる。
- オ.Cが本件売買契約の締結時に甲土地の所有権がBに属しないことを知らなかった場合において,Bが甲土地の所有権を取得してCに移転することができないときは,Cは,甲土地の所有権がBに属しないことを知った時から1年以内に限り,本件売買契約を解除することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
まず,どの肢から,入っていきましょうか。
なるほど,そうですね。では,肢「ア.本件売買契約が締結された時に,Aが甲土地を他の者に譲渡する意思がなく,BがAから甲土地の所有権を取得することができない場合であっても,本件売買契約は有効に成立する。」の正誤はどうですか。
そうですね。債権は有効にした方が,いざという時,責任追及しやすいですからね。
詳細を復習したい方は,こちらより確認ください。
そうですね。パッと切っておきたいです。あと,「4.イ オ」に関しては,出題傾向から,ほぼ切れますね。
背理消去法については,こちらを復習ください。
背理消去法を復習しよう その1
背理消去法を復習しよう その2
その通り,どちらから行きますか。
なるほど,それで大丈夫でしょう。それでは,肢「ウ.Cが甲土地の引渡しをBから受けるのと同時にBに対して甲土地の代金を支払ったが,Bが甲土地の所有権を取得することができなかったことから,Cは,本件売買契約を解除した。その後,CがAから甲土地の引渡しを請求されたときは,Cは,Bから甲土地の代金の返還を受けるまで,甲土地を留置することができる。」はどうですか。
なるほど,そうですね。物の引渡権者(A)と被担保債権の債務者(B)が別なので,弁済を促す関係にありませんからね。
詳細を復習したい方は,こちらより確認ください。
まあ,出題傾向からはそうですが,論理的には,「4.イ オ」も残っているので「エ.本件売買契約が締結された時にBが甲土地の所有権がBに属しないことを知らず,Cが甲土地の所有権がBに属しないことを知っていた場合において,Bが甲土地の所有権を取得してCに移転することができないときは,Bは,Cに対し,甲土地の所有権を移転することができない旨を通知して,本件売買契約を解除することができる。」も確認したいところです。
どうでしょうか。
確かに,条文がありますからね。売買の担保責任の条文は,難しいですがしっかり正解したいところです。
詳細は,こちら。
司法試験29年27問(民法)肢エ 第7回 第8回 第9回
その通り,ですので条文の意味を普段からしっかり取るようにしましょう。
それでは,今日はここで終わりにしたいと思います。この続きはまた明日,お楽しみに。