平成29年司法試験民法(解説編)
平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年25問(民法)を実践的に検討しました。「ア」は誤り。「イ」は保留となりました。
つづいて肢を検討します。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,昨日の続きやっていきましょう。
では問題文を載せておきます。
司法試験29年25問(民法)
贈与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.書面によらないで動産の贈与がされ,その引渡しがされた場合において,その引渡しが占有改定により行われたときは,贈与者は,贈与を撤回することができる。
- イ.贈与者が他人の不動産を贈与した場合において,他人の物であることを知りながら受贈者に告げなかったときは,贈与者は,その不動産の所有権を取得して受贈者に移転する義務を負う。
- ウ.定期の給付を目的とする贈与は,受贈者の死亡によって,その効力を失うが,贈与者が死亡しても,その効力は失われない。
- エ.贈与については,負担付きのものであっても,双務契約に関する規定は準用されない。
- オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
昨日は,「ア」が誤っている。「イ」は保留でしたね。
次は,どの肢を検討すれば良いでしょうか。
いいですね。では,肢「オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。」は,どうでしょうか。
そうですね。条文(554条,1022条)ですね。細かい条文が覚えられないかもしれませんが,利益状況を考えれば撤回を認められることが分かります。
詳細を知りたい方は,こちらより確認ください。
司法試験29年25問(民法)肢オ 第9回 第10回 第11回 第12回
その通り。これで,「 4.イ オ」「 5.ウ オ」のどちらかとなります。
背理消去法を復習したい方は,こちら
背理消去法を復習しよう その1
背理消去法を復習しよう その2
そうすると,肢「ウ.定期の給付を目的とする贈与は,受贈者の死亡によって,その効力を失うが,贈与者が死亡しても,その効力は失われない。」を検討することになります。どうでしょうか。
そうですね。ここは,保留した「イ」のも比較になりますが,定期給付の利益状況を踏まえると,誤りと判断できると思います。当事者の信頼が大事でしょうから。
詳細を知りたい方は,こちらより確認ください。
いいですね。ポイントは,難しい肢では勝負しないでしょう。そして,簡単な肢から切り取っていく。
その際も,背理消去法を活用し,解答に繋がらない無駄な肢「エ」は読まないということでしょう。
はい,では今日も時間となりましたので,ここまでとします。
この続きは,また明日お楽しみに。