司法試験29年34問(民法)を検討する 第6回 具体的相続分の計算(遺贈)その2

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年34問(民法)を検討することになりました。その際,相続財産を確定することになりました。
その結果,相続財産に加算されることにつき,贈与と遺贈で違いがでることを確認しました。
なぜかを考えることになったのですが,うまく花子さんは整理できたのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。それでは,始めていきましょう。問題文のポイントと関連条文を載せますね。

司法試験29年34問(民法)

次の【事例】において,Aを被相続人とする遺産分割におけるB,C及びDの具体的相続分の額として,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
なお,遺産分割の対象となる財産並びに贈与及び遺贈の目的財産の価額は相続開始時の価額を示しており,その後に価額の変動はないものとする。
【事例】
⑴ 相続人Aの相続人は,配偶者であるBと,子であるC及びDとする。
⑵ 遺産分割の対象となる財産
3000万円の金銭
⑶ 時系列
①(終了)詳細 第2回 第3回
②(終了)詳細 第2回 第3回
③(終了)詳細 第4回
④ Aは,平成25年10月20日,Dに対し,A所有の土地(価額1000万円)を遺贈する旨の遺言を作成した。
⑤ Aは,平成26年2月26日に死亡した。
⑥(略)

(特別受益者の相続分)
民法第903条
1.共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2.(略)
3.(略)

結局,贈与と遺贈では,相続財産との関係で取扱いが違うことを確認しました。(903条1項)

考えている

はい,贈与は加算される,遺贈は加算されませんね。

その通り!ただ,そんなことやみくもに覚えても・・・。

東花子さん

そうですね,すぐに忘れるという話でした。

はい,ですので,やはり理由を考えないとというのが昨日の問いでした。
それで,うまく整理できましたか。

東花子さん

えっと,良くわかりませんでした。

なるほど,分かりました。そうでしたか,それでは一緒に考えていきましょう。
遺贈の効力の発生時を足掛かりにすれば良いという話をしましたが,そこは確認しましたか。

考えている

はい,確か,原則死亡時だったと思います。

いいですね。条文も確認しましょう。

(遺言の効力の発生時期)
第985条
1.遺言は、 遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2.遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

これからすると,相続開始時(882条)に,遺贈は効力が原則,発生することになります。

東花子さん

うーん,そうですね。

これで,分かりませんか。

花子さん

いやー,ピンときません。

なるほど,それはいけませんね。結局,今,共有となるAの相続財産の計算をしているわけですよ。
これって,相続開始時のAの財産ですよね。

東花子さん

そうか,分かりました。遺贈の場合,効力発生時が相続開始なので,わざわざ相続財産に戻す必要がないんですね。

その通り!キチンとここを理解するには,時系列を考える必要があります。
贈与は相続開始前に行われたものが基本的に対象です。

考えている

確かに,今回の例も(①②)でもそうです。

はい,ですので贈与がなかったら死亡時に相続財産にあったいえるので,計算上戻せるわけです。

東花子さん

なるほど,わかりました。やはり,取引の場面をイメージすることがとても大事なんですね。

そういうこと。やみくもに結論を押さえても,すぐに忘れてしまいます。条文の意味を理解するには,実際に適用される場面を想定するといいです。

東花子さん

ありがとうございます。ぜひ,そうしたいと思います。

はい,頑張ってください。それでは,続いて⑥を検討しようと思ったのですが,丁度キリがいいので,この辺りで終わりにしましょう。それでは,この続きは,また明日お楽しみに。



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