司法試験29年33問(民法)肢イを検討する 第6回 第876条の4第2項を考える その3

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年33問(民法)肢「イ.家庭裁判所が本人以外の者の請求によって,本人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をするには,本人の同意がなければならない。」を検討することになりました。同意権の場合,本人の同意が不要であるのに対し,代理権の場合,本人の同意が必要です。
どうやら,同意権に関して,一般原則を修正しているようですね。花子さんは,しっかり分かったのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
関連条文を載せておきます。

(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
第876条の4
1.家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2.本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3.(略)

(保佐開始の審判)
第11条
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第7条に規定する原因がある者については、この限りでない。

保佐が開始されると,被保佐人は,「制限」行為能力者になります。

考えている

そうですね。そこで,一般原則によれば,本人の法律行為が制限されるので,手続保障として同意がいるのではという話でした。

はい,昨日はそこまで確認しました。この考えにしたがうと,同意権(11条)において,一般原則が修正されます。

東花子さん

はい,本人の同意がなくてもできますからね。

そうですね。そこで,なぜそのような結論になっているかを整理してくるのが宿題でしたが,やってこられましたか。

東花子さん

まあ,一応。結局,保佐開始の審判(同意権)の場合に,本人の同意を必要とすると,周りが迷惑するんじゃないでしょうか。

なるほど,いい指摘です。もう少し,具体的にお願いできますか。

考えている

保佐開始請求されるものは,客観的に「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」です。それなのに,本人が意地張って同意しないと周りが困ると思いました。

いいですね。制限行為能力制度の背景には,高齢化社会があります。この点を想像すると,本人を常に必要とすることは不都合がありそうです。

東花子さん

はい,それはそうなんですが,一つ分からないことがありまして・・・。

なるほど,どんな点がわからないんですか。

東花子さん

いやー,確かに本人の同意を常に必要とすると,周りが迷惑するのはわかるのですが,それであれば,代理権に関しても,本人の同意を不要にすべきではと思って・・・。

おお,そこいい指摘ですね。もちろん,東さんの指摘は,一見その通りとも思えるのですが,同意権と代理権とでは,かなり利益状況が違うんですよ。

東花子さん

ふーん,そうなんだ。何がどう違うんだろう,少し考えていいですか。

そうですね。大切なことは,論理的に整理することだと思います。ぜひ,やってもらいましょう。それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。この続きは,また明日。



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