司法試験29年29問(民法)肢エを検討する 第10回 民法663条を考える

こんにちは,スク東ブログへようこそ。解説編,好評公開中。

平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)

まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年29問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年29問(民法)肢エ「受寄者は,寄託物の返還時期の定めがあるときであっても,寄託者に対して返還する旨の通知をした後,相当の期間が経過すれば,返還時期の前に寄託物を返還することができる。」を検討していきます。
結論は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

どうしてですか。

東花子さん

条文です。

なるほど,そうですね。確認しましょう。

(寄託物の返還の時期)
第663条
1.当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、受寄者は、いつでもその返還をすることができる。
2.返還の時期の定めがあるときは、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、その期限前に返還をすることができない。

なるほど,663条2項にやむを得ない事由がないと期限前に変換できない旨の規定ありますね。ただ,それだと。

東花子さん

はい,だた知っているだけですね。

そうですね。ですので,条文の意味を確認していきますが,どの辺から行きましょうか。

考えている

うーん,原則ですね。

なるほど,そうですね。この場合は,どうなりそうですか。

東花子さん

えっと,確か総則に期限に関する条文があったような・・・。

いいですね。条文を確認しましょう。

(期限の利益及びその放棄)
第136条
1.期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2.期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

この場合,受寄者が寄託物の返還債務を負ってます。したがって,一般原則で考えると期限の定めがあっても,受寄者(債務者)はその利益を放棄できそうですね。

東花子さん

なるほど,ただ,それだと問題なので663条2項があるんですね。

そういうことになりますね。どういう問題があるのでしょう。

考えている

うーん,そうですね。期限の定めがある場合,その期間,寄託物を保管することが契約の目的です。この場合に,期限の放棄を認めると寄託者が困ると思いました。

そうですね。寄託者は,その期間保管してもらえると思って契約を結んでいますからね。

考えている

はい,ですので663条2項で放棄ができないようになっていると思いました。

いいですね。ただ,本条もやむを得ない事由がある場合には,返還を認めてます。これはなぜでしょうかね。

東花子さん

そうですね。一切,期限前の返還が認められないと,受寄者にとって,重い負担となるからだと思いました。

そうですね。あまりに負担が重過ぎると,寄託契約が締結しづらくなり,巡り巡って寄託者も困るでしょう。ですので,やむを得ない時は,協力しろということでしょう。

考えている

そう思いました。大事なことは,筋道を通して考えることですね。

はい,結局,ただ覚えてもすぐに忘れてしまいます。今みたいに,利益状況を押さえながら条文を押さえるようにしていきましょう。それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。
この続きは,また明日お楽しみに。



あなたの,1票が日々の力となります。ぜひ,お役立ていただいた際には,クリックにて応援のほど,よろしくお願いします。

広告
カテゴリー: 債権各論, 平成29年, 民法 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中