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平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年29問(民法)肢「イ.寄託者は,有償か無償かを問わず,過失なく寄託物の性質若しくは瑕疵を知らなかったとき,又は受寄者がこれを知っていたときを除いて,寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。」を検討することになりました。その際に,661条の意味をしっかり確認することになりました。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
関連条文も載せておきます。
(寄託者による損害賠償)
第661条
寄託者は、寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。ただし、寄託者が過失なくその性質若しくは瑕疵を知らなかったとき、又は受寄者がこれを知っていたときは、この限りでない。
この条文の意味を理解するためには,一般原則から筋を立てるといいという話をしてましたね。
そうでした。寄託契約は,物を受け取ることで発生しますので(657条),瑕疵がある物を渡しても,直ちに債務不履行(415条)とはいえなさそうですからね。
(寄託)
第657条
寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
その通りです。それで,うまく整理できましたか。
なるほど,考える方向性はいいですね。じゃあ,そこを突っ込んで聞きますが,なぜ酷だと思ったのですか。
なるほど,そこを具体的にイメージする必要があります。受寄者の場合,寄託者とは契約の当事者ですよね。
この関係のことをなんて言ったりします。
いいですね。そうすると,一般関係(事実関係)として不法行為によるとするのは,受寄者の保護に欠きますね。
はい,こんな感じで利益状況を把握するといいでしょう。そして,そこが分かると661条の意味も見えてきますよ。
そうですね。ぜひ,やって見てください。それでは,今日も時間となりましたのでここまでとします。
この続きは,また明日お楽しみに。