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平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年28問(民法)肢「ウ.建築請負の目的物である建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合であっても,注文者は,請負人に対し,建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することはできない。」を検討することになりました。635条ただし書の趣旨を,請負人に過大な負担を与えないようにするといえば,請負人を保護できそうなのですが,判例は,これを認めていません。
どうしてでしょう。利益状況を押さえるとよいようですが,やっていきましょう。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,続きを行きましょう。
条文を載せておきますね。
(請負人の担保責任)
第635条
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。
(請負人の担保責任)
第634条
1.(略)
2.注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。
結局,635条ただし書の趣旨を請負人に重い負担を負わせないものと理解すれば,この場合に損害賠償請求を認めないこともできそうですが,この考えを判例は採用してませんね。
どうしてか,整理しましたか。
そうですね。注文者が建物の建替えに要する費用相当額をもう一回負担するのは,さすがにきついでしょう。
はい,この辺は実際に利益状況を考えるとわかりますね。
そうですね。ぜひ,当事者目線をもつようにしてください。あとは,この結論に向かって調整するだけです,635条ただし書の趣旨をどう説明すれば良いでしょう。
いいですね。そう理解すれば,この場合は損害賠償請求を認められます。ただ,請負人としても,酷なときがあるように思うんですが・・・。特に,634条の責任は無過失責任ですからね。
そうですね。まあ,請負人が保険に入っていれば,そこから賠償金がでるんでしょう。
この辺りは理解を助ける上で,軽く見ておく位でいいでしょうけどね。
いいですね。ということは,請負人としてはトラブルを予測して,予め準備できるはずなんです。
まあ,試験的に,あまり関係ないですが,こんな感じで道理を追えると,より理解が深まります。
はい,考えると視界も広がります。こんな感じで,積極的に勉強しましょう。それでは,今日も時間となりましたので,終わりします。この続きは,また明日,お楽しみに。