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平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年28問(民法)肢「イ.請負人が仕事の目的物を引き渡した場合において,その目的物に瑕疵があり,注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償を請求したときは,注文者は,その賠償を受けるまでは報酬全額の支払を拒むことができる。」を検討することになりました。質疑応答を続けることで,634条2項の損害賠償請求権がなぜ認められるかを理解することができました。この理解があれば,報酬全額と損賠賠償請求権が同時履行の関係だという意味もわかるようですが・・・。果たして,花子さんは解答できるでしょうか。
一緒に考えていきましょう。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,昨日の続きを行きましょう。
条文を載せておきますね。
(請負人の担保責任)
第634条
1.仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2.注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。
結局,634条の損害賠償請求権は,注文者を保護するために認められてましたね。
いいですね。昨日は,欠陥住宅をイメージして整理していましたね。このことを理解すると,報酬債権全額と損害賠償請求が同時履行である意味もわかるという話をしてましたが,考えてきましたか。
なるほど,少し難しかったですかね。それでは,一緒に考えていきましょう。
まず,そうですね。注文者が修補請求をした時,報酬債権との関係はどうなるでしょうか。
いいじゃないですか。なんで,そう思ったんですか。
そうですね。そこまで分かっていれば,損害賠償請求の話もいけるような気がするのですが・・・。
そういうことですね。確かに,損害賠償請求だけをみると金銭債権なので可分債権のように思えます。
ただ,この請求がどうしてあるかを考えると,修補請求したときとバランスを欠くのは,まずいと気づけますね。
そうですね。最終的に条文の言葉に引き付けて理解することは,とても大事です。
頭ごなしで覚えても忘れてしまいますかね。
はい,長々とこの肢の検討を行いましたが,ようやく無事到達点にたどり着きました。
この機会に,しっかり理解してくださいね。では,今日も時間となりなしたので,ここまでとします。
この続きは,また明日,お楽しみに。