司法試験29年28問(民法)肢アを検討する 第2回 民法633条本文を考える

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年28問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年28問(民法)肢「ア.請負人は,仕事の目的物の引渡しを要する場合には,これを引き渡した後でなければ,報酬を請求することができない。」を検討していきます。
結論は,どうですか。

考えている

誤っていますね。

どうしてですか。

東花子さん

条文ですかね。判例にもあるようですが・・・。(大判大5.11.27)

なるほど,確認してみましょう。

(報酬の支払時期)
民法第633条
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。

確かに,633条に報酬は目的物の引渡しと同時とあります。
したがって,引き渡さないと報酬を請求できないとする肢は,誤りですね。
ただ,それだと。

考えている

はい,だた知っているだけですね。

そうですね。ですので,やはり整理していく必要性があります。どう考えていきましょう。

東花子さん

うーん,原則でしょうか。

なるほど,いいですね。請負の大前提の条文も,確認しておきましょう。

(請負)
民法第632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

この条文だけだと,どういうことになりそうですか。

東花子さん

なるほど,仕事の完成に引渡しを要する場合,結果に対して報酬を請求できるわけだから,引渡後に報酬となりそうです。まさに,この肢が聞いていることですね。

そういうこと,この辺りが疑問点なんでしょうね。ただ,最初に確認した通り,633条があるわけです。
どうして,このような規定があるのでしょうかね。

東花子さん

うーん,やはり報酬を後とすると支払いの確実性が落ちます。ですので,できる限り双方の債務の確実な履行を確保する必要性があると思いました。

そうですね。ですので,法も引渡しと報酬を同時にして,取引安全を図っています。
そこまで見えると,633条ただし書の意味も分かりますよ。

東花子さん

なるほど,確かに引渡しを要しないときに,仕事と報酬の同時は現実的ではないですね。。

いいですね。今の話は,具体的を入れてやると良くわかります。
例えば,屋根の修理を業者の方にお願いした場合(引渡しを要しない例)で仕事の完成と報酬を同時とすると,最後の釘一本のときに注文者を呼んで,同時に報酬を請求するという不自然な形になります。

東花子さん

確かに,やはりイメージが大事なんですね。

その通りです。こんな形で整理すれば取りあえず,大丈夫でしょう。
それでは,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また,明日お楽しみに。



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