司法試験29年27問(民法)肢ウを検討する 第6回 他人物売買と留置権(561条,295条)その2

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年27問(民法)肢「ウ.Cが甲土地の引渡しをBから受けるのと同時にBに対して甲土地の代金を支払ったが,Bが甲土地の所有権を取得することができなかったことから,Cは,本件売買契約を解除した。その後,CがAから甲土地の引渡しを請求されたときは,Cは,Bから甲土地の代金の返還を受けるまで,甲土地を留置することができる。」を検討することになりました。
前提の事実は,A所有の甲土地をBがCに対して売り渡す旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が締結された場合です。
結論として,本件の債権は295条の「その物に関して生じた債権」にあたらず留置権が否定されるようです。
それが,なぜかを考えることになったのでした。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速始めていきましょう。
条文を載せておきますね。

(留置権の内容)
第295条
1.他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
2.(略)

(他人の権利の売買における売主の義務)
第560条
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第561条
前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

結局,561条の債権は「その物に関して生じた債権」にあたらないとなっておりますが,なぜか考えをまとめてこられましたか。

考えている

そうですね。この場合に留置権が成立すると,甲土地の所有者Aに著しく不都合が生じると思いました。

おお,いいですね。もう少し,具体的に説明して貰えますか。

東花子さん

えっと,所有者Aから見ると,BCの売買契約は全くコントロールできない事情です。Aから見れば勝手な事情で,留置権を主張されるのは正直,困ります。

その通りです。Cも困るかもしれませんが,AもBに巻き込まれたわけです。ですので,Aを保護する必要性は明らかでしょうね。

考えている

はい,後はこの結論に向かって条文を解釈して,つじつまを合わせていきます。

いいですね,どうしましょうか。

東花子さん

えっと,そうですね。結局,295条は,担保物権として被担保債権の弁済を促す関係に立つ必要があります。したがって,「その物に関して生じた債権」にあたるには,「物権的請求をした者」と「被担保債権の債権者」が同一人であることが必要だとすれば良いと思いました。

そうですね。それでこそ,同条の趣旨である当事者間の公平も図れますね。
まあ,こんな感じで,大丈夫でしょう。大事なことは,結論もそうですが道理に合わせて理解することですね。

花子さん

はい,意味を考えないで覚えてもすぐに,忘れてしまいますからね。

その通り!ぜひ,しっかり念頭において勉強しましょう。それでは,時間となりましたので,今日はここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。



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