司法試験29年27問(民法)肢イを検討する 第4回 本人が他人物売買の売主を相続した場合(最判昭49.9.4)

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年27問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年27問(民法)肢「イ.Bが死亡し,AがBを単独で相続したときは,Aは,Cに対し,甲土地の売主としての履行を拒むことはできない。」を検討していきます。
前提の事実は,A所有の甲土地をBがCに対して売り渡す旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が締結された場合ですね。結論はどうでしょう。

考えている

誤ってますね。

そうですね。どうしてですか。

東花子さん

判例にあるようです。(最判昭49.9.4)

なるほど,確かに判例だと,履行を拒むことができるようです。
結論はそうでしょうが,それだと・・・。

考えている

はい,ただ知っているだけですね。

そうですね。ですので,しっかり理解をしないといけません。
どの辺りから考えていけばいいでしょうか。

東花子さん

やはり,原則ではないでしょうか。

いいですね。そこから考えると,どうなりますか。

考えている

B死亡によりAは,Bの権利義務を承継します(896条)。BはCに対して560条の義務を負っているので,Aは,その義務を承継するのではないでしょうか。

なるほど,ポイントが分かっております。条文も確認できるように上げておきましょう。

(相続の一般的効力)
第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

(他人の権利の売買における売主の義務)
第560条
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

確かに,条文をみると,AはCに560条の義務を負うことになりそうです。
ただ,判例は,これを否定してます。なんででしょうかね。

東花子さん

うーん,B死亡という偶然の事情で,Aの追認権(116条類推)が行使できなくなるのは問題と思いました。

そうですね。一般にAの所有権を第三者に移すには,本人の意思(176条)が必要です。
560条の義務を承継すると,本人としての立場がないがしろにされますね。

東花子さん

はい,ですので,本人を保護するために560条の義務の承継を否定してます。

いいですね。また,相手方Cから見ても,Aは,契約の直接の相手方ではありません。Aの意思を尊重することは,契約当初からCは分かっていたはずなので,取引安全上も問題ないでしょう。

花子さん

なるほど,確かにそうですね,わかりました。

はい,今日は,勢いよく一気に説明しましたが,こんなところでいいですね。
今回は,比較的,結論が分かりやすかったかと思いますが,今みたいに基本からしっかり押さえるようにしたいですね。
それでは,今日も時間となりましたので,ここまでとします。それでは,また明日お楽しみに。



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