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平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)
まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年27問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,司法試験29年27問(民法)肢「ア.本件売買契約が締結された時に,Aが甲土地を他の者に譲渡する意思がなく,BがAから甲土地の所有権を取得することができない場合であっても,本件売買契約は有効に成立する。」を検討していきます。
前提の事実は,A所有の甲土地をBがCに対して売り渡す旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が締結された場合ですね。結論はどうでしょう。
どうしてですか。
なるほど,確かに判例によれば,本件のような場合でも売買契約は有効に成立するみたいです。
ただ,それだと・・・。
そうですよね。ですので,しっかり意味を考えないといけません。
どの辺りからいきましょうかね。
いいですね。条文も確認しましょう。
(売買)
第555条
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
(他人の権利の売買における売主の義務)
第560条
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
確かに555条,560条を見ると,他人物売買は債権的に有効です。
ただ,本件では「Aが甲土地を他の者に譲渡する意思がなく」とありますね。
結局,本件BC間の売買契約の成立の時点で,BのCに対する560条の債務が社会通念上履行不能といえそうです。
こんな時も,契約が有効に成立してしまうのでしょうか。
そうですよね。よーく考えると,無効になるのではって感じてしまいます。
しかし,判例は,この場合にも契約有効としてます。
これは,どうしてですかね。
はい,分かりました。ぜひ,やってもらいましょう。考え方としては,本件契約を無効とするとどういうことが起こるかをイメージするといいです。頑張ってやってみてください。
では,今日も時間となりましたので,ここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。