司法試験29年23問(民法)肢オを検討する 第10回 民法527条を考える その2

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年23問(民法)肢「オ.承諾期間の定めのない申込みに対し承諾の通知が発送された後,申込みの撤回の通知が承諾者に到達した場合において,その申込みの撤回の通知が通常の場合には承諾の通知の発送の前に到達すべき時に発送したものであることを承諾者が知ることができたときは,承諾者が申込みの撤回の通知が延着した旨の通知を申込者に対して発送したか否かにかかわらず,契約は成立しなかったものとみなされる。」を検討することになりました。
527条があるので,正解はわかったのですが,原則から意味を確認することになったのでした。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
条文を載せておきますね。

(申込みの撤回の通知の延着)
民法第527条
1.申込みの撤回の通知が承諾の通知を発した後に到達した場合であっても、通常の場合にはその前に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、承諾者は、遅滞なく、申込者に対してその延着の通知を発しなければならない。
2.承諾者が前項の延着の通知を怠ったときは、契約は、成立しなかったものとみなす。

原則,本件のような場合,契約が成立するという話でしたね。

考えている

そうでした。契約の承諾は,発信主義(526条1項)が採用されてますからね。

はい,ただ常に契約成立だと問題ではありませんか。というのが前回の問でした。
考えてみましたか。

東花子さん

ええ,一応。本件の場合,撤回の通知が延着してます。通常であれば,承諾前に到達していた場合ですね。

そうですね。524条で,申込みの撤回は相当な期間はできません。
ただ,今回,期間は経過していた考えましょう。

(承諾の期間の定めのない申込み)
第524条
承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。

東花子さん

はい,ということは,申込みの撤回の通知が予定通り到達していれば,契約が成立しないわけです。

はい,その通りです。このような事情があるのに,当然に契約を成立させるのはどうかという問題です。

考えている

うーん,そうですね。申込者も予定外の契約の成立になります。原則から考えると,やむをえないのでしょうが,不意打ち感は否めませんね。

いいですね。その位の状況がイメージできると,527条も分かってくるのではないでしょうか。

東花子さん

はい,申込者を一定程度,保護する必要性があります。ですので,527条も承諾者が分かったときには,延着の通知を送る必要性があるとしているのですね。

そうですね。契約をするということは,特別関係になります。ですので,承諾者としても申込者に延着の事実を伝えて,少しでも不測が生じなくなるように協力しなさいよということでしょう。

東花子さん

そうですね。概ね,イメージできました。

はい,このように考えれば,承諾者としても知らない時,何にもしなくていいことも理解できます。
原則は契約成立で,承諾者にできないことを要求するのも問題ですからね。
この機会に,ぜひ整理してみてください。それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。
この続きは,また明日お楽しみに。



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