司法試験29年21問(民法)肢アを検討する 第2回 債権質設定後の弁済(民法481条類推適用)

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平成29年予備試験民法(解説編)
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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年21問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年21問(民法)肢「ア.AのBに対する債権を目的としてAがCのために質権を設定し,AがBに対してその質権の設定を通知した後であっても,BがAに弁済をした場合には,Bは,Cに対してもその弁済の効果を対抗することができる。」を検討していきます。

結論はどうでしょう。

考えている

誤っていますね。

いいですね,あってます。どうしてですか。

東花子さん

481条が類推適用されるようです。

なるほど,関連条文をみておきましょう。

(指名債権を目的とする質権の対抗要件)
第367条
指名債権を質権の目的としたときは、第467条の規定に従い、第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条
1.指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2. 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

(支払の差止めを受けた第三債務者の弁済)
第481条
1.支払の差止めを受けた第三債務者が自己の債権者に弁済をしたときは、差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。
2. 前項の規定は、第三債務者からその債権者に対する求償権の行使を妨げない。

まず,「AのBに対する債権を目的としてAがCのために質権を設定し,AがBに対してその質権の設定を通知した」点は,367条,467条のことをいってます。

東花子さん

はい,したがって,AのBに対する債権は,Cに質入されてます。

そうすると,BがAに対する債権を普通に弁済できるとどうなりますか。

考えている

Cが害されますね,担保がなくなってしまうわけですから。

いいですね。本件では,「AのBに対する債権を目的としてAがCのために質権を設定」してます。
AはCのために質権を設定しているので,Cを困らせることはできないとする必要がありそうです。

東花子さん

そうですね。イメージができれば,分かります。

はい,あとはどう説明するかですが,直接の条文がありませんね。

考えている

確かに,481条1項は差止めを受けた場合に,弁済をしても,差押債権者はさらに請求できるという規定です。今回のケースと厳密には違います。

その通りです。ただ,同条は,いわば第三者(差押債権者)を害する弁済がなされた際の法律関係を規定してます。

花子さん

そういった意味では,本件も481条1項と同じ利益状況があります。したがって,同条を類推できるのですね。

いいですね,これで一定の結論がでました。なお,同条は,「差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。」という表現になってますが,第三債務者は弁済の効果を差押債権者に対抗できないことが前提です。

考えている

はい,もし対抗できれば,さらに請求できないはずですね。

そうですね。一応,確認しておきます。こんなところで大筋,大丈夫でしょう。それでは,今日も時間となりましたのでここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。



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