司法試験29年14問(民法)肢イを検討する 第5回 質権と譲渡担保権の違い(占有改定の可否)民法345条

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年14問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,司法試験29年14問(民法)肢「イ.動産を目的とする質権は占有改定の方法によるその動産の引渡しによっては効力を生じないが,動産を目的とする譲渡担保権はその設定契約によって設定され,占有改定の方法によるその動産の引渡しがあれば,譲渡担保権者は第三者に譲渡担保権を対抗することができる。」を検討していきます。
結論はどうでしょうか。

考えている

正しいですね。

いいですね,あってます。どうしてですか。

東花子さん

質権については345条,譲渡担保については,判例(最判30.6.2)があるようです。

なるほど,確認して見ましょう。

(質権設定者による代理占有の禁止)
第345条 質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。

確かに,質権に関して,345条に代理占有を禁止する条文があります。
また,譲渡担保に関しては,東さんの言う通り,判例で認めているようです。

東花子さん

はい,したがって正しい。

なるほど,結論はあってますが,それだと,ただ知っているだけの説明ですね。

考えている

そうですね。どうしてか意味を考える必要があります。

いいですね。方向性が分かっているじゃないですか。結局,この肢は,どういうことを聞いていると思いますか。

東花子さん

はい,質権は占有担保物権,譲渡担保権は被占有担保権としての運用が一般に予定されているということでしょうか。

そうですね。もちろん,当事者の自由を尊重すれば,どのような方法でも設定を認めるべきです。
しかし,質権の場合,質権者が占有をすることを予定してます(342条)。
占有改定で質権設定できてしまうと,質権の本質からは大きくずれてしまいますね。

東花子さん

なるほど,確かにその通りです。だから条文でも禁止しているんですね。一方で,譲渡担保は,質権のような縛りがない。ですので,判例も取引の自由を尊重する判断をしているのでしょうね。

いいですね。まあ,その位で大丈夫だと思います。
なお,譲渡担保の場合,被占有担保との指摘がありますが,担保権者に占有がある時もあるので気を付けてください。
柔軟な運用が認められます。一応,指摘しておきますね。

花子さん

わかりました。ありがとうございます。

まあ,この肢は,こんなところで大丈夫だと思います。では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きはまた明日,お楽しみに。



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