司法試験29年14問(民法)肢アを検討する 第4回 動産質権と譲渡担保権の複数設定 その3

こんにちは,スク東ブログへようこそ。解説編,好評公開中。

平成29年予備試験民法(解説編)
平成28年予備試験民法(解説編)
平成27年予備試験民法(解説編)

まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年14問(民法)肢「ア.同一の動産について複数の質権を設定することはできないが,同一の動産について複数の譲渡担保権を設定することはできる。」を検討することになりました。
動産質権は占有担保物権,譲渡担保は被占有担保物権ということが疑問のポイントのようです。
中途半端に押さえていると間違えるように問題が作られているようですね。
しっかり,意味を確認していきましょう。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速始めていきましょう。
忘れないように条文を載せておきます。

(動産質権の順位)
第355条
同一の動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、設定の前後による。

結局,動産質権を設定すると目的物がないので,質権を設定できないのでは。
というのが,最大の疑問点でした。

考えている

そうでした。質入する目的物(動産)は,設定者の手元にないですからね。

いいですね。それなのに,条文にある通りできるとなっております。
どうしてか分かりますか。

東花子さん

えっと,どうやら質権の設定は,指図による占有移転(184条)でもできるようです。この方法を使えば質権設定を二重に行うことができるように思いました。

なるほど,実際の続きですね。それは,それで良いとは思うのですが・・・。なんの脈略もなく出したところで,すぐに忘れてしまいますね。こういう時は,まず,二重に質権を設定できる必要性から検討したいところです。

東花子さん

なるほど,目的物を質入しても残存価値があれば設定者は,その価値を有効に利用できるようにしたいということでしょうか。

そうですね。動産を有効活用する必要があります。もちろん,譲渡担保もあるのでしょうが,手段が限定されるのは,利用者にとって不便ですね。

考えている

確かに,法律うんぬんの以前に,財産を有効活用できるようにする必要性があると思いました。

いいですね。そういう理解に立てば,質権だろうと譲渡担保だろうと順位が設定できるという話は良く理解できます。
その上で,指摘していただいた指図による占有移転の具体例を押さえれば良いです。

東花子さん

そうですね。結局,質権者の占有は対抗要件(352条)です。目的物がまだ第三者の場合,中立性が期待できます。順位を認めても担保の適正な実効が確保できると思いました。

そうですね。そんな感じで押さえていけば,とりあえずは,大丈夫でしょう。
では,今日も時間となりましたのでここまでとします。
この続きは,また明日,お楽しみに。



あなたの,1票が日々の力となります。ぜひ,お役立ていただいた際には,クリックにて応援のほど,よろしくお願いします。

カテゴリー: 平成29年, 担保物権, 民法 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中