司法試験29年13問(民法)肢イを検討する 第6回 動産の先取特権の順位(330条3号)その2

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年13問(民法)肢「イ.農地の天然果実については,農業労務の先取特権が不動産賃貸の先取特権に優先する。」を検討することになりました。
条文があるようなのですが,例によって,そんなこと言われてもねという話になり,利益状況を押さえることになったのですが・・・。花子さんは,しっかり分かりましたかね。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
条文も,載せておきましょう。

(動産の先取特権の順位)
第330条
1.(略)
2.(略)
3.果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。

(不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
第313条
1.土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
2.(略)
(農業労務の先取特権)
第323条
農業の労務の先取特権は、その労務に従事する者の最後の一年間の賃金に関し、その労務によって生じた果実について存在する。

結局,不動産賃貸の先取特権と農業労務の先取特権は,どんな場合に問題になりますか。

東花子さん

えっと,地主から土地を使用者が借りて,被用者がその土地で作物を作っている場合に問題となりましたね。

はい,前提はそれでいいのですが・・・。その事実だけでは,問題になりませんよ。

東花子さん

うーん,そうなんですか。良くわかりません。

なるほど,難しく考えてしまいましたかね。先取特権は,担保物権です。
被担保債権が,回収できない時に担保の問題になると思いませんか。

東花子さん

そっか,確かにその通りです。

はい,方向性を間違えると細かい方にいってしまいます。そういう考えだと,今みたいな質問が分からないんですよ。

考えている

なるほど,気を付けます。ということは使用者が被用者にも地主にもお金を支払っていない時なんですね。

そうですね。そういう状況で,作物(天然果実)に対して,地主か実際に世話をして育てた人(労働者)のどちらを勝たせるかという問題です。

東花子さん

そっか,使用者(賃借人)が一番,問題児だったんですね。ようやく分かりました。そういう状況であれば,労働者を保護すべきだと思います。労務によって作物があるので・・・。

なるほど,いいですね。実際,その説明でも十分かもしれませんが,それだと地主から土地がなければ,作物も育てられないはずと反論されちゃうじゃないんですか。

東花子さん

確かにそうかもしれません。ただ,労働者の方が一般的に弱者です。したがって,保護の必要性が高いように思いました。

いいですね。その位の価値判断ができれば,この肢も正解と判断できるように思います。
でも,この場合の地主も可哀そうな気もするんですが・・・。

東花子さん

うーん,そこはやむを得ないということでしょうか。

そうですね。ここも考え方の問題ですが地主は,別の防衛策が取れますよ。

東花子さん

えっ,どういう方法ですか。

うーん,さまざまあるでしょうが,分かりやすいのは敷金(約定担保)の活用が考えられますね。

考えている

なるほど,確かにそうです。

まあ,正直,解答を出す上で,こんなことまで考える必要はないでしょうね。ただ,そこまで見えていれば,労働者を保護することもよりわかると思います。ぜひ,参考にしてみてください。
では,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また明日お楽しみに。



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