司法試験29年12問(民法)肢オを検討する 第13回 抵当権と敷金の関係(最判平14.3.28)その4

こんにちは,スク東ブログへようこそ。解説編,好評公開中。

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まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年12問(民法)肢「オ.抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした場合には,その後に賃貸借契約が終了し,抵当不動産が明け渡されたとしても,抵当不動産の賃借人は,抵当権者に対し,敷金の充当によって当該賃料債権が消滅したことを主張することはできない。」を検討することになりました。
どうやら敷金の返還については,抵当権者も一定程度,協力すべき利益状況にあるようです。
考えて見ましょう。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,始めていきましょう。
今回も,条文は省略しておきます。(372条,304条,511条)

結局,抵当権者がなぜ,敷金の返還にも一定程度,協力すべきかわかりましたか。

考えている

うーん,ハッキリわからなかったのですが,抵当権が被占有担保ということがヒントになると思いました。

なるほど,いいところに目をつけましたね。どうして,そう思ったんですか。

花子さん

はい,前回,わざわざ抵当権設定者に占有を残して抵当不動産を使用収益させることを確認したので,そうかなぁって。

いいですね。やみくもに考えると,大変です。関連付けてやることが大事ですね。
そこから考えて,利益状況は分かったのですか。

東花子さん

うーん,やっぱりよく分かりませんでした。

なるほど,じゃぁ,一緒に考えていきましょう。抵当権の場合,設定者が抵当不動産を使用収益するわけです。
そうすると,抵当権設定後に,賃貸借契約を行うことはどうでしょうか。

考えている

既定路線ですね。

そうですね。いろいろな抵当不動産があるでしょうが,アパートなんかをイメージすればより分かります。
ということは,敷金契約の存在はどうでしょうか。

東花子さん

なるほど,敷金契約は,賃貸借契約を担保するものです。この契約も設定が予定されているのではないでしょうか。

その通り。肢エの一般債権と敷金契約とでは,明らかに設定の可能性が違うわけです。
抵当不動産の使用収益の過程で敷金契約は締結されることが見込まれます。

東花子さん

確かに,一般債権の場合,抵当不動産の使用収益とは関係ありませんね。

はい,これで大分見えてきました。そうすると,肢オのような場合に賃借人から見て,敷金を確実に返してもらえなければ,どう思いますか。

花子さん

抵当不動産を借りたくないですね。いざという時に,損する恐れがあるから。

そうそう,これで分かったんじゃないですか。

考えている

はい,賃借人を保護しないと,結果として抵当不動産の借り手が少なくなる。その結果,抵当権設定者は,抵当不動産を使って使用収益しづらくなりますね。

その通り。そして,抵当権設定者は,賃料を被担保債権の弁済に回そうとしているわけです。
そうすると,抵当権者も,被担保債権をできる限り弁済しやくするように設定者に協力してあげるべきですね。
そうしないと,設定者もお金を借りづらくなるので。

東花子さん

確かに,よく分かりました。そこまで分かれば肢エ,一般債権の場合と違うことが完全にわかります。

はい,これで利益状況が見えました。あとは,その結論に合わせて法的に説明を加えればいいですね。

考えている

そうですね。折角なので,そこも考えていいですか。

はい,ぜひ,やってもらいましょう。では,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また明日お楽しみに。



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