こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年5問(民法)肢「ウ.権限外の行為の表見代理は,代理人として行為をした者が当該行為をするための権限を有すると相手方が信じたことにつき本人に過失がなかったときは成立しない。」を検討することになりました。
正解は分かったのですが,忘れないように利益状況を具体的に考えることになりました。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,初めていきましょう。
条文を載せておきますね。
(代理権授与の表示による表見代理)
民法第109条
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
(権限外の行為の表見代理)
民法第110条
前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
本人に過失を必要としないのは,なぜか,考えて見ましたか。
なるほど,いいですね。どうしてですかね。
そうですね。代理は,私的自治の拡張,補充のためにあります。
すべて本人が,法律行為をするのは現実では難しいでしょうね。
一般に,代理制度を有効に活用することで,本人は利益を受けられますね。
ですので,一定のリスクも負担せよという価値判断でしょう。
いい指摘ですね。そこに関して110条は,「その権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるとき」に限って保護してます。
はい,ぜひ押さえておきましょう。
結局,大枠として,代理制度は本人の活動を広げる上で有益です。ですので,できる限り安心して利用できるように設計されているように思います。
本人と第三者の利益衡量は,ぜひ考えるといいでしょう。
そうですね。それが良いでしょう,結局,借りた言葉で押えてもすぐに忘れてしまいます。
このやり取りも,整理の際の参考にするぐらいの意識でちょうどいいでしょう。
では,今日も時間となりましたので終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。