司法試験29年4問(民法)肢イを検討する 第7回 94条2項の善意の第三者の判断時期(予約完結権)その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年4問(民法)肢「イ.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地をBに仮装譲渡した後に,CがBとの間で甲土地についてCを予約者とする売買予約を締結した場合,仮装譲渡についてCが予約成立の時に善意であっても,予約完結権行使の時に悪意であれば,Cは,Aに対し,甲土地の所有権を主張することができない。」を検討することになりました。予約完結権の行使時を基準に善意,悪意を判断するようです。
予約成立の際に保護されないのは,Cとって酷ではという疑問に対して,意味を確認することになったのでした。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,続きをやっていきましょう。忘れないように条文も載せておきます。

(虚偽表示)
民法第94条
1.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2.前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

結局,予約の際の時点を基準としない,完結権の行使を基準とする判例の意味はわかりましたか。

考えている

うーん,良くわかりませんでした。

なるほど,そうでしたか。じゃあ,予約完結権の条文を確認しましたか。

東花子さん

いえ,確認しませんでした。

やっぱり,そうだと思いました。予約に関する条文を確認しましょう。

(売買の一方の予約)
民法第556条
1.売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
2.前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。

556条ですね。どうでしょうか。

東花子さん

うーん,完結意思表示を表示した時から,効力が生ずるとなってます。

ということは,完結の意思表示前は効力が生じていないことになります。
また,確認ですが,予約によって売買契約は,成立していますか。

東花子さん

えっと,成立しているのではないでしょうか。予約完結権の意思表示が,停止条件となっている売買契約のように思いました。

なるほど,そういう考えもありますが,判例は,相手方の予約完結権の意思表示によって初めて成立する(大判大8.6.10)としてますよ。

考えている

へー,ということは,予約段階では契約も成立してないので,独立して取引安全上保護に値する第三者ではない。だから,予約時が基準とならないわけですね。

はい,結局,予約時に,取引上保護すべき者になっていないのがポイントです。

東花子さん

概ね,分かりました。でも,なぜ判例は,予約完結権の行使によって初めて契約が成立するとしているのですかね。今度,そこが分からなくなりそうです。

なるほど,確かにそうですね。
ここは,いろいろありそうですが,一番,簡単そうなのは,556条で特別に規定があることがヒントになりそうです。

東花子さん

うーん,どういうことでしょう。

いや,単純に停止条件付売買契約であれば,既存の一般制度の枠内で説明できます。したがって,わざわざ556条を別に規定する意味がないように思いますね。

東花子さん

確かに,一応は筋が通ってます。

そうですね。こういうところは,あまり突っ込まず,忘れないように仕掛けをしておけば良いでしょう。
では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。



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