司法試験29年2問(民法)肢エを検討する 第8回 行為能力回復後に相手方から請求をうけた場合 その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,司法試験29年2問(民法)肢「エ.Aが行為能力者となった後に,AがBから甲土地の所有権移転登記手続の請求を受けたときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。」を検討することになりました。
被保佐人Aが保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにBに対してA所有の甲土地を売り渡したことが前提します。
結論は,誤っているのですが,利益状況を確認することになったのでした。

では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,続きを始めていきましょう。
条文を載せておきます。

(追認の要件)
民法第124条
1.追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2.(略)
3.(略)

(法定追認)
民法第125条
前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一  全部又は一部の履行
二  履行の請求
三  更改
四  担保の供与
五  取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六  強制執行

結局,本件の場合に法定追認と取り扱われると,まずい理由わかりましたか。

考えている

うーん,結局,良くわかりませんでした。

なるほど,一緒に考えて見ましょう。被保佐人が行為能力者となるということは,精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分(11条)であった場面から,好転したということですね。

東花子さん

確かに,それは,その通りです。

はい,その好転した後に,過去に自分が被保佐人のときにやった法律行為について,相手方から請求がきたのが本件です。
本人としては,どう思いますかね。

考えている

なるほど,請求をうけただけで追認とするのは,被保佐人であった本人が保護されないように思いました。

そうですね。追認の方法は,相手方に対して意思表示で行うのが原則です。(123条)

(取消し及び追認の方法)
民法第123条
取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。

東花子さん

確かに,請求をうけた段階で,全く本人からアクションがありません。これを法定追認とするのは,さすがに本来の追認と離れていると思いました。

その通りです。したがって,125条2号の予定している場面ではないことがわかります。
では,どういった場面を同条同号は予定しているのでしょう。

東花子さん

本人側から,相手方に請求を行った場合だと思います。

いいですね。どうして,そう考えるのでしょう。

東花子さん

えっと,結局,請求をするくらいなので,被保佐人であった時の法律行為を了承したことが前提と相手方は受け取るからだと思いました。

その通りです。確かに,追認の意思表示ではありません。しかし,外形上,東さんが指摘した状況があります。
したがって,その後,本人に取消を認めることは,相手方から見たら矛盾挙動に映りますね。

東花子さん

なるほど,そのような状況があるから,法定追認の規定があるのですね。良くわかりました。

はい,したがって,本件の場合は125条2号の法定追認は生じず,誤りが答えとなります。
やはり,利益状況を把握することが重要だと思います。ぜひ,しっかり押さえてください。

それでは,時間となりましたので終わりします。また,明日お楽しみに。



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