こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
予備試験29年14問(民法)を実践的に検討していきました。「1」「4」「5」は,誤りと判断しやすいようなのですが,「2」「3」をあらためて確認することになったのでした。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん,早速,昨日の続きをやっていきましょう。問題文を載せておきます。
遺留分に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.被相続人Aの子Bが相続放棄をした場合,Bの子Cが遺留分権利者となる。- 2.自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が,死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の一人に変更した場合,遺留分権利者は,その変更行為の減殺を請求することができる。
- 3.特別受益に当たる贈与について,贈与者である被相続人がその財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示(持戻し免除の意思表示)をした場合であっても,その贈与の価額は遺留分算定の基礎となる財産の価額に算入される。
4.遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,相続の開始を知った時から1年間行使しないときは,時効によって消滅する。5.相続の開始前に遺留分を放棄することはできない。
最後,「2」「3」の比較になるのですが・・・。その前にちょっといいたいことがあります。
いや,この問題は,「1」「4」「5」を早く切れるかが大事にように思います。「2」「3」は,パッと見ただけで,考えたくないでしょうから。
その通りです。そして,知識があやふやであればあるほど,思い出すのに時間がかかります。
そうですね。本番まで時間が近づいてきました(掲載日2018/4/4現在)。そうすると,焦って手を広げたくなるのですが,表面的にやってもかえって不正確になりがちです。
ぜひ,正確性を大事にしてしっかり準備ください。
では,改めて「2」「3」を比較してどうでしょうか。
そうですね。それで正しいのですが,それだと昨日と変わらないので,「2」についても,一応,考えてもらえますか。
いいですね,多少の例外はあるようなのですが(最決平16.10.19),基本的には生命保険金は相続財産に含まれません。
したがって,本件の変更が減殺の対象とは考えにくいと思います。遺留分減殺請求権がなんであるかから考えていくわけです。
はい,解説には,よくこの判例がありますなんて,紹介があります。
しかし,現場でそんなことは,求められていないと思うのです。
もちろん知っているに越したことはないのでしょうが,範囲が広い試験でこの判例をピンポイントで押えているのは非常に困難です。
したがって,基本的な知識を活用して正解を導くかがポイントになります。
あとは,他の肢と比較をして正解にたどり着いている感覚ですね。
そう思います。ですので,問題検討の際には現場を意識して考えましょう。
なかなか難しいでしょうが,それを目指しましょう。
それでは,今日も時間となりましたので終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。
肢の詳細はこちらをご確認ください。