こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験29年10問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
売買契約の解除に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.債務不履行を理由に売買契約が解除された場合において,その債務不履行の時から10年を経過したときは,解除による原状回復請求権の消滅時効が完成する。
- イ.売主が目的物を引き渡し,買主が代金の一部を支払った場合において,債務不履行を理由に売買契約が解除されたときは,売主の目的物返還請求権と買主の代金返還請求権とは,同時履行の関係にない。
- ウ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて債務の履行の催告をしたとしても,売主がその催告に際して履行がなければ解除する旨の通知をしていないときは,売主は,相当期間の経過後も当該売買契約を解除することができない。
- エ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて代金の支払を催告したにもかかわらず,買主が代金の支払を拒絶する意思を明確に表示したときは,売主は,相当の期間が経過する前であっても,当該売買契約を解除することができる。
- オ.買主の債務不履行を理由に売主が解除権を取得したとしても,その解除権の行使前に買主がその債務を履行したときは,売主は,その解除権を行使することができない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
早速,いきましょう。まず,肢「ア.債務不履行を理由に売買契約が解除された場合において,その債務不履行の時から10年を経過したときは,解除による原状回復請求権の消滅時効が完成する。」からです。どうでしょうか。
そうですね,何ででしょう。
いいですね。権利が行使できるときから時効が進行しますからね。肢にある債務不履行時という問題意識はあるのですが,債務者より解除権者を保護する必要性が高そうなので,形式的に考えて権利が発生した時から時効が進行するとすれば良いでしょう。
詳細を復習したい方は,こちらを確認ください。
この時点で,どの肢が切れますか。
はい,消去法ですね。つぎは,どこを検討しますか。
なるほど,どうしてでしょうか。
そうですね。それで,どちらを検討しましょうか。
そうですね。「ウ」「エ」は,前半部分も共通ですし,肢の長さもほぼ一緒なので,それで大丈夫しょう。
それでは,肢「ウ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて債務の履行の催告をしたとしても,売主がその催告に際して履行がなければ解除する旨の通知をしていないときは,売主は,相当期間の経過後も当該売買契約を解除することができない。」は,どうでしょうか。
その通りです。実質的に見ても,本件の場合,催告を行った売主を保護する必要性がありますね。
この辺りは,過去問でも問題意識がでているので即答したいところです。
詳細を確認したい方はこちら。
そうですね。ささっとこんな感じで,通過すれば良いでしょう。やはり,早く進むには,正確性がとても大事になります。普段の勉強では,しっかり理解を中心に勉強しましょう。
では,今日はここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。
検討してない肢の詳細は,こちら
予備試験29年10問肢イ 第5回 第6回
予備試験29年10問肢エ 第9回 第10回_1 第10回_2
予備試験29年10問肢オ 第11回 第12回
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