予備試験29年6問(民法)を検討しよう 実践編 第1回

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験29年6問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

AのBに対する債権を被担保債権として,C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され,その旨の登記がされている場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

  • ア.甲土地の従物である石灯籠が本件抵当権の設定前に備え付けられていた場合,本件抵当権の効力は,その石灯籠には及ばない。
  • イ.Cが甲土地をDに賃貸し,さらにDが甲土地をEに転貸したときは,DをCと同視することを相当とする場合を除き,Aは,Dが取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない。
  • ウ.本件抵当権が根抵当権でない場合において,AがBに対して被担保債権として元本債権のほか3年分の利息債権を有しているときは,Cは,Aに対して,元本債権のほかその最後の2年分の利息債権を弁済すれば,本件抵当権を消滅させることができる。
  • エ.被担保債権の弁済期が到来した場合であっても,Cは,Aに対し,本件抵当権が実行される前に,あらかじめ求償権を行使することはできない。
  • オ.本件抵当権の登記がされた後に,CがDに対し甲土地を賃貸し,Dが甲土地上に乙建物を建築して所有する場合において,Dが甲土地の占有についてAに対抗することができる権利を有しないときは,Aは,Dの承諾の有無にかかわらず,甲土地及び乙建物を一括して競売することができる。

1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ

早速,いきましょう。まず,肢「ア.甲土地の従物である石灯籠が本件抵当権の設定前に備え付けられていた場合,本件抵当権の効力は,その石灯籠には及ばない。」からです。どうでしょうか。

考えている

誤っています。

どうしてですかね。

東花子さん

抵当権の「付加一体物」の内容に従物が含まれたとはずです(370条1項)。

そうですね,なんででしょうか。

東花子さん

抵当権は物の交換価値を把握してます。従物も主物の効用を助けているので,交換価値として一体として把握されていると考えます。

その通りです。過去問をやっていれば,ここは比較的分かりやすいと思います。
復習したい場合,こちらもご参照ください。

予備試験29年6問肢ア 第2回

この時点で,どの肢が切れますか。

考えている

「3.イ ウ」「5.エ オ」が切れると思います。

おお,背理消去法ですね。ここは,何回もでてくるので,しっかり分かるようにしたいところです。

復習したい方は,こちらをご確認ください。
予備試験29年3問実践編第2回

「4.イ オ」の取扱いは,どうですか。

東花子さん

えっと,論理的にはあり得るんですが,出題傾向からほぼないという話がありました。

その通りです。「ア」が誤りだと分かった段階で,「4.イ オ」が正解肢になるためには,「ア」「イ」「オ」の3つが誤りである必要があります。

考えている

そうですね。2つの誤りの組み合わせを選ぶ場合,誤りが2個,正しいが3個が昨今の出題傾向です。

いいですね。ここは,出題傾向が変えられたら終わりなので何ともですが,一応,そのような目線を知っておくと良いでしょう。そうすると,次に検討する肢は何を検討すべきですか。

東花子さん

「ウ」か「エ」でしょうか。「1.ア ウ」「2.ア エ」のどちらかになりそうなので・・・。

そうですね。どちらを検討していきましょうか。正直,ここは好みの問題かもしれません。
肢エが短いので,エからという発想もあり得るところですがね・・・。ウもパッと見,そんなに難しくなさそうです。

考えている

じゃあ,順番通り「ウ.本件抵当権が根抵当権でない場合において,AがBに対して被担保債権として元本債権のほか3年分の利息債権を有しているときは,Cは,Aに対して,元本債権のほかその最後の2年分の利息債権を弁済すれば,本件抵当権を消滅させることができる。」を検討します。

はい,それで結論はどうなるでしょうか。

花子さん

誤りです。したがって,「1.ア ウ」が正解ですね。

いいですね。問題は,これで解けましたが,なんで「ウ」は誤りなんですか。

考えている

確かに,抵当権の範囲は利息については2年分のみ(375条1項)ですが,不可分性により被担保債権が全部消滅しないと抵当権そのものは消滅しないはずです。

そうですね。抵当権は,被担保債権を担保するために存在しますからね。大枠の理解が大事なことが分かります。
詳細を復習したい方はこちらを確認してください。

予備試験29年6問肢ウ 第5回

東花子さん

良くわかりました。やはりポイントは,正確性ですね。

その通りです。判断を間違えたら全くこの方法は使えません。テクニックは,あくまでも基礎的理解があった上で,役に立つものと思いましょう。
では,今日は,ここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。

検討していなかった肢の復習は,こちらをご確認ください。

予備試験29年6問肢イ 第3回 第4回
予備試験29年6問肢エ 第6回 第7回
予備試験29年6問肢オ 第8回 第9回 第10回



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