予備試験29年5問(民法)を検討しよう 実践編 第1回

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験29年5問(民法)【司法試験29年11問】を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

  • ア.AがBから甲建物を賃借し,Bに敷金を交付していた場合において,その賃貸借契約が終了したときは,Aは,敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。
  • イ.AからB,BからCに建設機械が順次売却され,BがAに対して代金を支払っていない場合に,Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは,Cの請求は棄却される。
  • ウ.AがBから甲建物を賃借していたが,Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後,明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合,Aは,Bに対し,その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。
  • エ.甲土地の借地権者であるAが甲土地上にある建物について買取請求権を行使した場合,Aは,甲土地の賃貸人であるBに対し,その買取代金債権を被担保債権とする留置権を行使して甲土地の明渡しを拒むことはできない。
  • オ.甲建物の賃貸人Aが,賃借人Bに対して賃貸借契約の終了に基づき甲建物の明渡しを請求したのに対し,Bが賃貸借の期間中に支出した有益費の償還請求権に基づいて留置権を行使し,従前と同様の態様で甲建物に居住した場合,Bは,Aに対し,その居住による利得を返還する義務を負う。

1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ

早速,いきましょう。まず,肢「ア.AがBから甲建物を賃借し,Bに敷金を交付していた場合において,その賃貸借契約が終了したときは,Aは,敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。」からです。どうでしょうか。

考えている

誤っています。

どうしてでしょう。

東花子さん

確か,目的物の返還が先履行でした。

なるほど,結論はあってますが,実質的な理由付けが一言あるといいですね。

考えている

えっと,そうしないと原状回復までの費用が確定しないからだと思います。

そんなところで大丈夫でしょう。
詳細を復習したい場合は,こちらを確認ください。

予備試験29年4問肢ア 第2回

これで,「1.ア イ」「2.ア エ」が切れます。
次は,どれを検討しますか。

東花子さん

「3.イ オ」「4.ウ エ」「5.ウ オ」において「ウ」「オ」が2個あるのでどちらかですね。

いいですね。どちらを検討しましょうか。

考えている

とりあえず,「ウ.AがBから甲建物を賃借していたが,Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後,明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合,Aは,Bに対し,その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない」をやってみます。

わかりました。それで,正誤はどうでしょう。

東花子さん

正しいですね。

合ってますね,なぜでしょうか。

考えている

賃貸借契約が解除された後,有益費を支出してます。この場合に留置権が認められるのは,貸主も困るのではないでしょうか。

確かに,留置権の趣旨が当事者間の公平から考えても成立しない方向になりそうです。正確にはいろいろあるのでしょうが,現場ではこの位が現実的でしょう。

詳細を復習したい方は,こちらを確認ください。

予備試験29年4問肢ウ 第5回
第6回 第7回

そうすると,どの肢が切れますか。

東花子さん

「3.イ オ」ですね。

背理消去法ですね。この辺りは,すぐ分かるようにしたいです。

復習したい方は,こちらをご確認ください。
予備試験29年3問実践編第2回

次は,何を検討しますか。

考えている

「エ」か「オ」です。「4.ウ エ」「5.ウ オ」のどちらかだから・・・。

そうですね。どうしましょう。

東花子さん

肢「エ.甲土地の借地権者であるAが甲土地上にある建物について買取請求権を行使した場合,Aは,甲土地の賃貸人であるBに対し,その買取代金債権を被担保債権とする留置権を行使して甲土地の明渡しを拒むことはできない。」を検討します。

なるほど,なんでそう考えましたか。

考えている

単純に「オ」より短いし,「ウ」の流れでそうしようかなって。

まあ,それで大丈夫です。あとは,「エ」「オ」ざざっと見ると,なんか気になるキーワードがありませんか。

東花子さん

なるほど,「買取請求権」でしょうか。

そうです。たしか,買取請求権がある時は留置権が成立するという話があったなと,結構,受験生は知っているはずなんです。過去問にも何問かあるはずなので・・・。

考えている

なるほど,そこで「エ」を読む前に留置権が成立する場合じゃないのかなと,あたりを付けて読むんですね。

はい,その通りです。そもそも買取請求権が発生しないなんて引っかけないかな,なんて目線で注意深く読む。
そうすると,どうやら,特に問題のない通常の買取請求権の場面だということがわかります。

東花子さん

そうすると当たりを付けた通り,留置権が成立するので「エ」は誤りとなります。

そうですね。したがって,「4.ウ エ」が切れて,残った「5.ウ オ」が正解となります。

詳細を復習したい方は,こちらを確認ください。
予備試験29年4問肢エ 第8回

考えている

この問題は,比較的解きやすい問題でした。

はい,こういう問題はなるべく時間をかけずに通過したいところです。効率を意識して問題を解いていきましょう。
では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。

詳細を復習したい方は,こちらを確認ください。
予備試験29年4問肢イ 第3回 第4回
予備試験29年4問肢オ 第6回



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カテゴリー: 平成29年, 平成29年, 担保物権, 民法, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

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