予備試験29年15問(民法)肢オを検討する 第11回 賃貸人が転借人へ直接義務を負うのか? その3

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年15問(民法)肢「オ.賃借人が適法に賃借物を転貸したときは,転借人は賃貸人に対して,賃借物の修繕を請求することができる。」を検討することになりました。
いろいろ議論した結果,どうやら転貸を行う状況に,転借人から賃貸人への権利を認めないヒントがあるようです。
花子さんは,キチンとイメージできるのでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,初めていきましょう。613条1項の条文を確認しておきます。

(転貸の効果)
民法第613条
1.賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。
2.(略)

では,昨日の続きですが,転貸をわざわざ行う状況は分かりましたか。

東花子さん

うーん,賃貸人が管理を賃借人に行わせて,資産運用として賃料を楽に取りたい場面が想定されていると思いました。

いいですね。前回,典型例をイメージして欲しいということでしたので,対象は不動産にしましょう。
賃貸人に,不動産の所有権はありますが,直接,賃借人を探して請求まで管理を行うのは面倒ですね。

考えている

はい,そう思います。一過性であれば,なんとかなるでしょうが,継続的になるので管理が大変です。

そうなると,賃貸人は面倒なことをやりたくないので,不動産を貸さなくなってしまう。これは,不動産が経済活動,生活の基盤ということも踏まえると問題でしょう。
また,不動産で不特定多数の借主と直接,賃貸借契約を結ぶと,あとで,もめた場合,賃貸人も対応が面倒ですね。

東花子さん

そうか。だから,貸主は,比較的安心できそうな中間者を賃借人として間に立たせて,その者から確実に賃料を回収しようと考えるのですね。

その通り。一方,賃借人(転貸人)は,賃料と転貸賃料の差額で利益を得て,管理,営業を行っているイメージです。

考えている

非常によくわかります。

はい,そこがわかれば,いきなり転借人が修繕しろと直接いわれた際に,賃貸人の対応を要求すると,間に賃借人(転貸人)を立たせた意味もなくなってしまいます。

東花子さん

なるほど,そう考えると,条文がないのも納得いきます。

そうですよね。これが分かれば,613条1項の意味も,ハッキリしますよ。

東花子さん

そうですね。賃貸人としては,楽して賃料が取りたい。賃借人が転貸人としてキチンとやるべきことをやらなかったら,賃貸人としても転貸を承諾した意味がないです。

いいですね。ですので,民法も賃貸人に転借人への請求を直接,認めてます。また,貸料債権は金銭債権です。したがって,一般原則で,権利保全のために代位行使する場合(423条),債務者(賃借人)の無資力要件が必要となってしまいます。

東花子さん

確かに,そういった意味でも613条1項の意味合いは大きいですね。

はい,逆に修繕義務は,行為債務です。したがって,いざ転貸人(賃借人)が適正に機能しなくても,最悪,債権者代位の転用を認めることで転借人の権利救済も図れます。

東花子さん

いろんな意味で,転借人から賃貸人へ直接,権利を認める必要がないことがわかりました。

そうですね。ここまでイメージ持っていれば,大丈夫だと思います。ぜひ,参考にしてみてください。では今日は,ここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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