予備試験29年14問(民法)肢5を検討する 第9回 遺留分の放棄を考える(民法1043条) その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年14問(民法)肢「5.相続の開始前に遺留分を放棄することはできない。」を検討することになりました。
条文をみて,誤っているのは分かっているのですが,なぜ,相続開始前に家庭裁判所の許可がいるのかという議論になりました。
自由に放棄を認めると問題があるようですが,果たしてどうでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速続きを始めていきましょう。忘れないように条文も載せてきます。

(遺留分の放棄)
民法第1043条
1.相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2.(略)

昨日からの続きですが,相続開始前,遺留分権利者に放棄の自由を認めると,どういう問題が生じ得ますか。

東花子さん

うーん。結局,被相続人から事情上,圧力を加えられる恐れがあると思いました。

なるほど,被相続人から遺留分権利者の遺留分をなくす手続は,どのようなものがありますか。

考えている

廃除ですね。

そうですね,条文を確認しましょう。

(推定相続人の廃除)
民法第892条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

確かに,被相続人から遺留分を有する推定相続人の遺留分をなくすには,家庭裁判所への請求することになりますね。

東花子さん

そうですね。ただ廃除には,虐待や重大な侮辱,著しい非行があったときが必要です。

その通りです。したがって,被相続人から見ると,ちょっと,遺留分を有する推定相続人が嫌いだというくらいでは,廃除は無理ですね。

考えている

まあ,遺留分は,遺留分権利者の権利だからですね。

はい,そうすると,被相続人は何を考えるかというと,遺留分を有する推定相続人が自分で放棄をするように持っていくことも考えられます。

花子さん

そうですね。相続は,かならず起こる問題です。そういう方も出てくる可能性がありますね。

まあ,仮にでないとしても廃除の制度が適切に機能するように制度を設計する必要があります。

東花子さん

なるほど,だから,相続開始前に関しては,家庭裁判所の許可を必要として892条とのバランスを取っているのですね。

こう考えると,つじつまが合いますね。ここまで分かると,相続開始後は遺留分を自由に放棄できることも分かると思います。

東花子さん

そうですね。相続開始後は,被相続人が死亡してます。したがって,廃除の潜脱のような問題は生じませんね。

その通りです。このように細かいような制度であっても,条文の意図があります。そこをしっかり押えましょう。
このように,家裁の許可の制度は,私人で自由に行わせると問題となる場面が想定されております。この機会に確認しておいてください。

花子さん

わかりました。ありがとうございます。

それでは,今日はここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。



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